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2019年9月30日【テクノロジー】

GMSとデンソー、インドネシアでコールドチェーンの実証事業

NEXT MOBILITY編集部

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Global Mobility Service(GMS)とデンソーは、インドネシアにおけるコールドチェーン物流網構築に向け、生鮮食品などを商業施設や一般家庭に配送する小口保冷輸送サービスの実証事業を10月から開始する。

 

今回実証で両社は、将来的な事業化に向けた課題の特定とその解決を図るためのビジネスモデルの確立を目指す。

ASEAN各国では、経済成長に伴う食生活の多様化や電子商取引の普及などにより、冷凍冷蔵食品への需要が高まっていると云う。

 

しかし一方で、食の安全・安心確保のための保冷輸送サービスにおいて、保冷車の不足等の課題を抱えており、保冷車の導入を進めるとともに、ドライバー確保のために就業機会を増やしていくことが必要とされていると云う。

 

GMSとデンソーは今回の実証事業で、インドネシアにおける小口保冷輸送サービスの実現可能性を検証。

 

デンソーの小型冷凍機を搭載した小型保冷車をドライバーに貸し出し、ドライバーは荷主から請け負った生鮮・冷凍食品の配送業務を行う。この配送業務を通じて、小口保冷輸送のニーズや課題、ドライバーの配送収入などを検証する。

 

また将来的には、GMSが事業展開する車両ローン返済の仕組み(*)をインドネシアで展開し、これまで与信審査が通らず車両を所有できなった貧困層や低所得者層の就業機会の創出・所得向上とともに、インドネシアにおける保冷輸送サービスの改善への貢献を目指す。

 

GMSは、日本発の金融包摂型のグローバルベンチャーとして、「モビリティサービスの提供を通じ、多くの人を幸せにする。」を理念に掲げ、日本及びASEAN各国で活動。世界で17億人にも上る金融サービスへアクセスできない人々への活躍の場の提供等を目的に、金融プラットフォームの構築を行っている。

 

デンソーは、2017年3月のGMSへの出資以来、モビリティIoTビジネスの発展可能性の検証を重ねてきたが、新興国を中心とした様々なビジネスの可能性をさらに検証するため、今年8月、GMSに対し、追加出資を実施。今後、商用車向けにビジネスを行うドライバーやサービス業者のニーズや課題を把握し、市場ニーズ先行型の事業開発を推進するとともに、コールドチェーンなどの物流網構築を目指す。

 

GMSとデンソーは、提携先の荷主やファイナンス会社各社と共に、IoT技術を活用した革新的なサービス展開により、働く意欲のある人の生活を豊かにすべく、食の安全・安心な輸送に取り組み、持続可能な社会づくりに貢献していくとしている。

 

 

*)GMSが事業展開する車両ローン返済の仕組み:IoTデバイスとモビリティサービスプラットフォームを活用した仕組み。リアルタイムに車両を管理し、ローンの返済が滞納された場合には、遠隔操作でドライバーがエンジンを始動できない状態にし、返済完了後にエンジンを始動可能な状態に戻すことで、ドライバーに対して計画的な返済を促す。

 

 

[実証事業の概要]

 

<締結日>

 

2019年6月10日(月)

 

<目的>

 

インドネシアにおけるコールドチェーン物流網構築に向けた、小口保冷輸送サービス提供による事業可能性の検証。

 

<内容(検討事項含む)>

 

・実証事業に参画頂ける荷主候補へ営業。

 

・実証事業終了後の金融機関様による配送ドライバー向けローンの提供に向けた経済合理性の仮説検証。

 

・ASEAN等各国での事業可能性の調査、テストマーケティングの実施。

 

・デンソー製冷凍・冷蔵機温度管理データの取得・分析に向けた検討。

 

 

[GMSについて]

 

GMSは、独自開発の自動車の遠隔起動制御を可能にするIoTデバイス「MCCS(*1)」とモビリティサービスプラットフォーム「MSPF(*2)」を活用したサービスモデルを構築し、日本国内およびASEAN各国市場で提供している。

 

<会社概要>

 

– 会社名:Global Mobility Service株式会社

– 代表者:代表取締役 社長執行役員/CEO 中島 徳至

– 所在地:東京都港区芝大門1丁目12番16号 住友芝大門ビル2号館 4階

– 事業内容:

・モビリティサービスプラットフォームの提供。
・クラウド上に蓄積したビッグデータの二次活用サービス。

– 設立日:2013年11月25日

 

*1)MCCS(Mobility-Cloud Connecting System):自動車の位置情報を特定すると共に、安全に自動車のエンジン遠隔起動制御を行い、センシングを可能にするシステム。

*2)MSPF(Mobility Service Platform):モビリティを対象とした管理・制御・データ分析などを行い、クラウド上でOpen APIを通じた外部システムとの連携を可能にするプラットフォーム。

 

 

■Global Mobility Service:https://www.global-mobility-service.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。