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2023年6月9日【エネルギー】

経産省、エネオスの浮島製油所2カ所の完成検査認定を取消

NEXT MOBILITY編集部

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経済産業省は6月9日、エネオス(ENEOS )に対し、「川崎製油所浮島北地区」と「浮島南地区」の高圧ガス保安法に基づく完成検査に係る認定を取り消す行政処分を行い、その旨を通知。また、法令遵守及び保安管理の徹底について厳重注意を行ったことを公表した。

 

エネオスは、今回の認定の取消しにより、上記両地区に於いて、自ら法定検査(完成検査)を行うことができなくなり、神奈川県知事又は指定完成検査機関が行う検査を受けることになると共に、今後2年間は認定を受けることができなくなると云う。

 

また、以上の経産省による公表即日、エネオスは、その原因究明と再発防止策について、以下の発表を行った。

1.行政処分について

 

1-1)経緯

 

経産省は、エネオスから報告のあった川崎製油所浮島北地区と浮島南地区の変更工事等の法令違反を受けて、3月にこれらの事業所に立入検査を実施。その結果を踏まえて、3月31日に同社に対して、法令違反の内容等について報告徴収命令を出し、4月28日に報告を受けた。

 

同省では、これら立入検査とエネオスからの報告により、完成検査に関する法手続に必要な資料の整備や業務管理等に不備があり、製造施設の変更工事の未許可やこれに伴う完成検査の未実施等の法令違反や認定基準に不適合となる事実が確認されたことなど、完成検査の保安体制に重大な不備が認められたとして、同社に対し、「川崎製油所浮島北地区」と「浮島南地区」に対する完成検査に係る認定(認定完成検査実施者、特定認定完成検査実施事業者)を取り消す行政処分を行い、その旨を通知した。

 

なお、上記法令違反により、製造施設等の安全性に影響が生じていないことは確認済みであると云う。

 

1-2)認定取消の理由

 

・法手続に必要な資料の整備や業務管理等が不十分であったこと等により、製造施設の変更工事について、都道府県知事の許可を受けずに当該設備の変更工事を行い、工事を完成したときに、都道府県知事が行う完成検査の受検又は自らが行った完成検査の記録の都道府県知事への届出を行わず、当該設備を使用していたこと。また、製造のための施設の軽微な変更工事の都道府県知事への届出等が適切に行われていなかったことなど、法令違反や認定基準への不適合が認められたこと。

 

・製造施設の変更工事の未許可及びこれに伴う完成検査の未実施という完成検査に関する重大な法令違反があること、これは過去の同様の法令違反の再発であること等から、完成検査の保安体制に重大な不備が認められたこと。

 

 

2.厳重注意について

 

経産省は、エネオスに対して法令遵守及び保安管理の徹底について厳重注意を行った。

 

 

3.主な原因および再発防止策(エネオス側の発表)

 

3-1)主な原因

 

①変更工事等に関する法令違反

・川崎製油所浮島北地区と浮島南地区に於ける図面の整備不足による高圧ガス保安法の適用範囲の誤判断。
・両地区に於ける規程要領類の不備による変更工事の許可申請または届出の手続きに関する誤判断と届出の失念。

 

②帳簿の保存および事故の届出に関する不備

・川崎製油所・根岸製油所於ける帳簿に記載すべき事項(設備異常時の措置等)の定義の不備、および高圧ガス保安法上の事故の定義についての理解不足・周知不徹底。

 

①、②の法令違反・不備が発生した背景には、認定事業者が有するべき保安意識・知識の浸透不足および保安管理体制の不十分さがあったと判断している。

 

3-2)再発防止策

この件を厳粛に受け止め、本社主導で以下の対策を全社的に実施。

 

①保安意識・知識の浸透不足への対策

・経営トップによる高い保安意識へのコミットメントの表明(社長メッセージの発信)。
・規程要領類の再整備および遵守の再徹底。
・認定事業所への継続的な教育の実施。

 

②保安管理体制の不十分さへの対策

・高圧ガス認定事業所監査の更なる強化。
・組織横断的な情報共有体制の強化。

 

3-3)社内処分について

 

この件に関する経営責任を明確にするため、代表取締役社長・社長執行役員である齊藤猛氏の月額報酬の30%を3カ月間減額。

 

また、代表取締役・副社長執行役員の宮田知秀氏、取締役・副社長執行役員CDOの椎名秀樹氏、常務執行役員の加藤英治氏、常務執行役員の木村裕之氏、常務執行役員の染谷喜幸氏についても、月額報酬の20%を3カ月間減額することを決定。

 

ENEOSホールディングス取締役会長の大田勝幸氏は、月額報酬の30%を3カ月間自主返上する。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。