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2023年11月22日【テクノロジー】

NGK、新製品開発拠点を拡充し事業構成の転換加速

NEXT MOBILITY編集部

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日本ガイシ(NGK)は11月22日、グループビジョンで掲げる“カーボンニュートラル(CN)”と“デジタル社会(Digital Society/DS)”の両関連分野に事業構成を転換するため、本社地区に「共創施設」と「CN関連製品開発エリア」を新設すると発表した。これにより、CN・DS関連製品の開発・事業化を加速させると云う。

 

NGKグループは、中長期ビジョン“NGKグループビジョン Road to 2050”に於いて、「独自のセラミック技術でカーボンニュートラルとデジタル社会に貢献する」ことをありたい姿として定め、これら分野で2030年には売上高の50%、2050年には80%を占めるよう事業転換することを目指している。

 

その加速のため、昨年11月に発表した新研究開発棟も含め150億円規模の設備投資を実施し、研究開発機能が集約されている本社地区を再編・整備して以下の拠点を新設する。

 

 

1.共創施設(仮称)(熱田地区)

オープンイノベーションの推進や独自のセラミック技術で社会に新しい価値を提供するための拠点として、同社製品やコア技術を紹介するエリア、社外とのアイディエーションを行うエリア、社内外の出会いや交流を作り出すエリアといった新たな共創施設を、熱田地区に建設する。

 

施設では、同社が出資する“エネコートテクノロジーズ”のペロブスカイト太陽電池(※1)を屋内に設置し、その発電性能の実証を計画するなど、社内外の様々な技術や知識、ノウハウを融合させることで共創を推進。迅速かつ効率的な新製品・新事業の創出を目指す(竣工は2025年5月を予定)。

 

さらに、この共創施設から生まれたアイデアを、隣接して建設中のDS関連の新研究開発棟(2025年6月稼働開始予定)で評価・実証し、その結果を共創施設で再検証するといったサイクルにより相乗効果を生み出し、新製品の早期創出につなげていく。

 

<共創施設(仮称)概要>
– 所在地:名古屋市瑞穂区須田町2番56号(本社地区内)
– 建築面積:約2,200平方メートル
– 延床面積:約4,350平方メートル
– 竣工(予定):2025年5月

 

※1:結晶構造の材料であるペロブスカイトを用いた新しい太陽電池。現在主流の結晶シリコン太陽電池に比べ、薄くて軽く、曲げられるという特長を持つため、曲面などこれまで太陽電池を設置できなかったところでの発電も可能となる。(NGK)ペロブスカイト太陽電池の京都大学発スタートアップ企業に出資 (2022年3月28日リリース)。

 

 

2.CN関連製品開発エリア(瑞穂地区)

既存の自動車排ガス浄化用セラミック製品の開発・生産エリアの一部を、現在開発を進めている、大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する「ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)用セラミック基材」(※2)や、「CO2の吸着材をDAC用セラミック基材に塗布(担持)する技術」といったCN関連新製品の開発・試作エリアとして再編する(11月より稼働)。

 

このDACエリアの整備・拡張を今後も段階的に進めていくことで開発体制を強化し、2025年の実証試験への参画や2030年の量産体制確立を目指していくほか、2025年6月には、CO2の回収・有効利用・貯蔵(CCUS)などに貢献する「サブナノセラミック膜」の開発エリア(分離膜エリア)を新たに整備するなど、CN関連製品の開発を推進していく。

 

※2:DAC用基材に求められる性能は、自動車排ガス浄化用セラミックスに求められる性能と共通したものが多いため、これまでに培ったセラミック製ハニカム構造体の技術を応用。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。