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2022年7月2日【オピニオン】

三洋貿易の新谷正伸社長に訊く、モビリティ産業の未来予想図

松下次男

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― LEADERS VOICE Web Version / 三洋貿易 代表取締役社長 新谷 正伸 ―

 

 複合型専門商社で自動車内装材を主力事業に据えてきた三洋貿易が、新ビジネスの胎動へ向けて積極姿勢を見せている。それは車内の子供置き去り防止センサーや、乗員の健康状態などを検知するバイタルセンサーなどの事業化で、来たるべき未来を視野に更なる収益拡大を目指すという。

 

 そんな同社は、旧・三井物産の有志達が神戸を本店として1947(昭和22)年5月に設立された。その足跡を遡ると当時の事業から大きく拡大出来た理由は、商社機能の強みを生かした海外製品・ソリューションの積極展開にあった。

 

 

 元々、持ち前の〝強み〟であった化学品や合成ゴム事業を足掛かりに、同社は、早くから自動車産業向けビジネスへ進出。その頃、世界へ向けて積極拡大していた日系自動車メーカー各社の海外戦略と歩調を合わせ、相次いでグローバル展開を繰り出した事が今日の飛躍の礎となった。

 

今日その海外セグメントに係る事業は、コロナ禍に伴う一時的な停滞もあったのだが、過去5年の売上年平均成長率(CAGR)18・1%と大幅な伸張記録を刻んでいる。

 

 2021年には、トヨタ自動車とマツダの米合弁工場の建設・運用に応えて、アラバマ州やタイ・レムチャバンに海外事務所を新設するなど、海外拠点も数自体を一段と拡充させている。それと同時に、2030年以降のモビリティの産業構造の変化を見据えた取り組みにも力を入れる。

 

自動車産業が「100年に一度の大変革期」に差し掛かっている潮流を捉え、いち早く自社が蓄積してきた商材・サービスを基礎としながらも、より高い付加価値を持つ製品提供を目指し新ビジョンを打ち出す。

 

 中でも特に注目すべき事業領域は、社会課題に対する〝最適解〟を求め続けて来た同社独自の取り組みにある。より具体的には、〝循環型社会の実現〟〝環境配慮商材の取り扱い〟〝自動車の安心・安全に寄与できる活動〟に注力している。

 

そこで今回は、三洋貿易が目指す新たな経営の舵取りについて、新谷正伸社長及び、産業資材事業部統括部長兼事業開発室長を担う平澤光康上級執行役員に聞いた。(佃モビリティ総研・松下次男)

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。