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2022年7月2日【オピニオン】

三洋貿易の新谷正伸社長に訊く、モビリティ産業の未来予想図

松下次男

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海外でも日本と同様のサービスを展開するのが当社の使命

 

 

――海外展開についてお聞かせください。

 

 

 新谷社長 遥か昔の話となりましたが、1900年頃の海外拠点はニューヨークとベトナムのみでした。急速に拡大したのは2012年の上場以降です。その後1年に1カ国以上、拠点進出すると言う方針で取り組みました。

 

その考えは、当社の最大のお客様は日本の自動車メーカー、ティア1、ティア2企業であり、それぞれの企業が海外で量産活動に取り組んでいるところに、日本と同様のサービスを展開するのが当社の使命だという創業以来の原点があるからです。

 

 その経緯でバンコクには2000年頃に進出。その後、インドネシア、インド、ベトナム、それから中国には3カ所事務所を設けました。米国は当初はニューヨークだけでしたが、約20年前にデトロイト、そして2年前にアラバマに事務所を開設しました。

 

 実は私も2004年頃にタイの拠点に在席していた事があり、当時は僅か3人だけの事務所でした。しかし、タイはその後、1997年のアジアショックから立ち直って自動車生産台数が大きく伸びました。

 

今やバンコクは約40人が在籍する拠点です。更にそれだけでは足りないという事で、2年前にレムチャバン港、タイの一番大きい港の近くに2カ所目の事務所を構えました。

 

 

――先に発表した車内への子供の置き去り検知委センサー事業については、今後、どのような展開を計画していますか。

 

 

 平澤 子ども置き去り検知センサーに関しては、数年前から自動車メーカーに提案活動を行っています。

 

昨年夏には、九州でお子さんがスクールバスで亡くなるという悲惨な事故もありました。既に競合社も出ていますが、まだ市場としては広がっていないというのが今日の実態です。

 

 記者会見でも述べましたが、導入は韓国ヒュンデなどが目立ち、まだ日系メーカーでは本格的に採用しているところはありません。

 

ただ、ユーロNCAPの動きは各社ともご存じである事から、当然、色々なところとお話はしています。

 

 課題はコスト面の要素があります。そこで単なる見守りセンサー単体機能だけではなく、複数の機能を複合化・一体化出来ないかという意見を受けています。

 

例えば、後部座席のシートベルトのリマインダーと見守りセンサーをセットするなどが考えられます。自治体から補助金が出れば、少しは(バスへの採用が)早まるのかなと考えています。

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。