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2019年8月28日【自動車素材】

神戸製鋼、高生産性ホットスタンプ用めっき鋼板を開発し量産開始

NEXT MOBILITY編集部

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Gestamp社工場

 

 

神戸製鋼所は、プレスの生産性に優れたホットスタンプ(※1)用めっき鋼板(焼入れ後強度1500MPa級)を開発し、自動車ボディ骨格部品用途として量産を開始した。

神戸製鋼・KOBELCO・ロゴ

神戸製鋼では、2017年、高生産性ホットスタンプ用冷延鋼板を開発し量産を開始。

 

同製品は従来のホットスタンプ用冷延鋼板と比較して焼入れ性(※2)を向上させることで、プレス生産性を最大6倍程度に改善。また、加工後の冷却ムラによる強度不足も発生しにくいものとなっていると云う。

 

さらに、プレス部品形状の自由度の向上やプレス工程内でのトリミングを可能とし、従来必要なプレス後のレーザーカット工程の省略を可能とした。

 

今回、神戸製鋼は、この冷延鋼板に亜鉛めっき処理を施したものを新たに開発。上記の特長に加え、耐食性の付与を可能とした。

 

また、同製品に対し、スペインの自動車部品会社であるGestamp社の加工技術を組み合わせることで、今回、欧州自動車メーカーに初めて適用され、量産化に至った。

 

神戸製鋼は、特長ある高加工性超ハイテン(引張強度780MPa級以上)と高生産性ホットスタンプ用冷延鋼板に加え、今回さらに高生産性ホットスタンプ用めっき鋼板を商品ラインナップに加えたことで、年々厳しくなるCO2排出規制への対応のための「車体軽量化」や、日米欧での衝突安全規制強化への対応のための「車体の強度向上」といった顧客ニーズに応え、価値の創造に貢献していくとしている。

 

 

[Gestamp社の概要]

 

– 会社名:Gestamp Automoción, S.A.
– 設立:1997年
– 所在地:スペイン マドリッド
– 代表者:フランシスコ・ホセ・リベラス・メラ
– 従業員:約43,000人
– 売上高:8,548百万ユーロ(2018年度)

 

 

※1)ホットスタンプ:プレス前に鋼板を高温に加熱し、強度が下がり加工性が上がった段階でプレス成型を行う加工方法。プレスしたまま金型で焼き入れることで強度を大きく上げることができる。

※2)焼入れ性:熱処理により鋼材を高温から急冷させた際の硬化のしやすさ。

※タイトル画像:Gestamp社工場

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。