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2019年2月1日【エネルギー】

神戸製鋼と川崎汽船、舶用バイナリー発電システムの長期運用試験

NEXT MOBILITY編集部

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神戸製鋼所は川崎汽船と共同で、神戸製鋼が開発する「舶用バイナリー発電システム(※1)」を搭載した、2月1日竣工の川崎汽船の石炭専用船「CORONA YOUTHFUL」(91千トン)を用い、約3年間の実船運用に関する共同研究を実施。実際の運用条件における同装置の性能や耐久性の確認を行う。

 

搭載した舶用バイナリー発電システムは、従来、大部分が廃棄されていた船舶の主エンジンの排熱を熱源に最大約100kWを発電し、船舶の動力の補助電源などに活用。発電機エンジンの燃料及びCO2の削減に貢献すると云う。

舶用業界では、2018年4月に国際海事機関(IMO/※2)によって、船舶に対し2008年比で2030年までに40%減、更に2050年までに70%減に努めるというCO2排出制限目標が設けられ、対応が急務となっている。

 

神戸製鋼は、2011年、陸上用のバイナリー発電システムの「マイクロバイナリー」を開発・販売し、工場排熱や地熱などを熱源とした分野に多くの納入実績がある。

 

こうした知見をもとに、船舶における排熱に着目。2014年から舶用のバイナリー発電システムの開発を開始し、2016年、プロトタイプでの海上試験(※3)を経て、現在、商品化を進めている。

 

神戸製鋼は、同システムに関して、日本海事協会(日本)、Lloyd(イギリス)、及びDNV・GL(ノルウェー)の認証機関の承認を取得。グローバルに展開し、舶用業界における環境負荷低減に貢献していくとしている。

 

 

[舶用バイナリー発電システムの特長]

 

●船舶の中で大半を占めるエンジン出力5,000kWクラス以上への適用が可能なことから、幅広い船舶に対応可能。

 

●舶用エンジンは負荷変動が大きいが、神戸製鋼のスクリュ式バイナリー発電機を利用することで、低負荷から高負荷まで幅広いレンジで発電が可能。

 

 

※1:バイナリー発電は、温水、低圧蒸気、エア等の低位の熱源により沸点の低い作動媒体を加熱、蒸発させてその蒸気でタービンを回し発電する。

※2:国際海事機関(International Maritime Organization:IMO)海上の安全、船舶からの海洋汚染防止等、海事分野の諸問題についての政府間の協力を推進するために1958年に設立された国連の専門機関。本部はロンドン。

※3:同研究開発は、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及びNKの共同研究テーマに採択され、実施。

 

 

■(神戸製鋼所)バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」:http://www.kobelco.co.jp/products/standard_compressors/microbinary/index.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。