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2019年2月7日【経済・社会】

神戸製鋼、自動車用焼結部品用途等の鉄粉工場に投資

NEXT MOBILITY編集部

神戸製鋼・KOBELCO・ロゴ

神戸製鋼所は、鉄鋼事業部門鉄粉工場(高砂製作所内)に約18億円を投資し、鉄粉製品の生産能力を従来の96千トン/年から110千トン/年へ増強する。

 

神戸製鋼の鉄粉製品は、主に自動車用焼結部品としてエンジンやトランスミッションなどの部品の材料に使用される粉末冶金(※1)向けとして採用され、国内シェア50%弱。

 

中でも、黒鉛偏析防止処理(※2)を施した「セグレス」や、高強度化に繋がる高い圧縮性や切削性を有した同社独自の高機能鉄粉「セグレスKP、KSシリーズ」が好調だと云う。

 

神戸製鋼は、自動車生産台数に関して中長期的に伸びが見込まれると判断。今後も鉄粉の需要は高まると想定し、拡大する需要に対応する為、今回の能力増強を決定した。

 

投資では、既存の仕様をベースとしつつ処理温度を現在より高温にすることが可能な還元炉1基に加え、セグレスミキサ1基(※3)を増設。

 

セグレスミキサの増設により、セグレスの生産能力についても従来の40千トン/年から60千トン/年へ増加するとのことだ。

 

神戸製鋼の鉄粉事業は、1968年に事業を開始し、高純度で圧縮性に優れた鉄粉の製造を可能にするアトマイズ法(金属溶湯に高圧水を噴霧し粉化させる方法)を日本で初めて導入。

 

主な製品メニューは、セグレスなどの粉末冶金用鉄粉の他に、重金属やVOC(揮発性有機化合物)など有害物質の拡散を防止する汚染土壌・地下水浄化用鉄粉(エコメル)や、モータやリアクトル用の部品に使用される磁性鉄粉(マグメル)、他にはカイロ用、脱酸素剤用まで幅広い製品を有している。

 

 

[生産能力増強の概要]

 

– 投資内容:設備増設(還元炉1基、セグレスミキサ1基)
– 投資額:約18億円
– 量産開始時期:2021年度初頭
– 生産能力(増強後):

鉄粉製品 110千トン/年
セグレス(上記の内数) 60千トン/年

 

 

※1)粉末冶金:金属などの粉末を金型に入れて圧縮して固め、高温で焼結し精度の高い部品を製造する技術。粉末を型に入れて成形する為、特に複雑な形状の部品の製造においては、鋼材を削り出す方法と比較し、歩留まりが良いといったメリットがある。

※2)黒鉛偏析防止処理:特性の安定化など焼結部品の強度向上のため鉄粉に黒鉛粉を混合させるが、黒鉛は比重が軽く粒度も小さいため単純に混合しただけでは分離・偏析し易く、部品の組成にバラツキが生じたりする。これを改善するために黒鉛を鉄粉に付着させる処理技術。

※3)還元炉、セグレスミキサ:還元炉は、製造工程における仕上げの熱処理炉。セグレスミキサは、鉄粉と混合する黒鉛粉の偏析防止処理が可能な混合機。

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松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。