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2020年7月22日【テクノロジー】

オムロン、1.5tまで搬送可能なモバイルロボットを7/22発売

NEXT MOBILITY編集部

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オムロンは、シリーズ最大の1.5tまで自動搬送できる「モバイルロボットHD-1500」を、7月22日から世界で一斉発売する。

 

また、「高精度位置決めシステム」の精度を向上するとともに、可搬重量の異なるオムロン製の搬送ロボットを最大100台まで1つのシステムで連携させ、最適な配車や渋滞レスな自動搬送を実現した。

オムロン・ロゴ

「HD/LDシリーズ」は、事前に走行ルートを定める磁気テープの設置が不要で、人や障害物を自動で回避しながら最適なルートを自ら考え、決められた場所に部品や製品を搬送するモバイルロボット。

 

今回発売される「HD-1500」は、可搬重量が世界最重量級の1.5tまで対応し、従来フォークリフトなどで搬送していたシャシーのような大型の自動車部品や体積の大きいパレット搭載物といった重量物の搬送も可能。既存の「LDシリーズ(*2)」と合わせて使用することで、材料から部品、仕掛品、完成品に至るまで様々な領域のシームレスな搬送を自動化することができる。

 

 

 

 

HD-1500の発売に際して、オムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー ロボット推進プロジェクト本部長の山西基裕氏は、以下のように話している。

 

「オムロンは、独自のコンセプト”i-Automation!”を掲げ、製造現場の革新に取り組んでいます。その一環として2015年に、米国に拠点を置くロボット会社のAdept社を買収して以来、そのロボット技術によってお客様の生産現場において高度で柔軟な自動化が実現できるように、より多くのリソースを投入してきました。
 従来からの人手不足に加え、新型コロナウイルスに対するリスク対策として世界中の産業分野でモバイルロボットによる搬送作業の自動化が加速する中、今回の新商品HD-1500はこの取り組みをさらに前進させるカギとなり、お客様に対して、安全に重量物を搬送するための選択肢を提供できるようになりました」。

 

また、オムロンのグループ会社で、ロボットとセーフティーソリューションのリーダーであるOMRON Robotics and Safety Technologies(以下ORT)の社長兼CEOのTom Mathias氏は、以下のように話している。

 

「工場・倉庫内の製品や材料の移動は頻度が高く、人にとって負担が大きく、人件費の上昇とソーシャルディスタンスの確保もあいまって、多くの企業にとって課題となっています。
 回転の速い生産現場はスピードと柔軟性が不可欠です。オムロンのHD-1500は1日24時間、時間通り、人と同じ環境内で安全に働くことができ、密集、密接回避という企業が抱えている課題の解決を支援します」。

 

 

オムロンは、今後も製造現場の需要に対応し、ロボット製品群の拡張を加速し、モノを移動させるという単純・単調で重労働な作業から人を解放し、より創造的な分野での仕事にシフトさせていくことで、社会的課題の解決に貢献し続けていきたいとしている。

 

 

[HD-1500の主な特長]

 

1.高い可搬重量と堅牢構造

 

頑丈なメタルカバーを用いた堅牢構造。センサー類の保護構造設計により、要求の厳しい作業にも対応。

 

2.高度な混合フリート

 

オムロンの「フリートマネージャー」の使用で、「HD-1500」を含め、異なる可搬重量タイプのモバイルロボットシリーズの最大100台のフリート管理が可能。互換性を維持しながら、同一システムで交通整理、バッテリ管理、ルート管理が最適化できる。

 

3.投資収益率(ROI)を向上

 

最終製品を載せた大型パレットやかさばる重量物の安全な自動搬送を実現。フォークリフトの使用を減らして経費を削減する。また1回の搬送量の増加により、最小限の機器でのより多くの作業を可能にしてROIを向上すると共に、作業者のより創造的な仕事へのシフトに寄与。

 

4.高い効率性と安全性

 

39分間でフル充電可能なため、効率向上とダウンタイムを縮小。セーフティレーザスキャナーで全周360度をリアルタイムにモニタリングしているため、進む向きと速度に応じて、自律的に緊急停止適用ゾーンを切り替えることで、スムーズな動作と、高い安全性を確保。緊急停止適用ゾーンはオムロン製モバイルロボットの共通ツール「モバイルプランナー」上でも確認できることから、視覚的な安全確認が可能。

 

 

*1:2020年7月時点 (自律型搬送ロボットカタログ値比較/オムロン調べ)
*2:オムロンの搬送ロボットのラインナップは、可搬重量60㎏の「LD-60」、可搬重量90㎏の「LD-90」、可搬重量250㎏の「LD-250」。

 

 

[ORTについて]

 

オムロンは2015年10月、製造業向けの自動化ソリューションを提供するインダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業、IAB)の一貫として、米国の産業用ロボットのリーディングカンパニーだったAdept Technologyを買収。

 

ORTは、オートメーションとセーフティの包括的なソリューションを提供するため、オムロンのセーフティ事業とロボティクス事業が合併し、2019年に設立。人とロボットが安全に協調して働くことのできる新しい生産現場の実現に貢献することを目的としている。

 

 

[問い合わせ先]

 

OMRON Robotics and Safety Technologies
メール: ORT-Marketing@omron.com

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。