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2019年2月14日【経済・社会】

三洋化成、タイに永久帯電防止剤の生産設備を新設

NEXT MOBILITY編集部

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プラスチックに添加して半永久的に帯電を防止する高分子量タイプの永久帯電防止剤「ペレスタット」・「ペレクトロン」シリーズを製造・販売する三洋化成工業は、需要拡大への対応のため、タイの関係会社サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドのラヨーン工場(タイ・ラヨーン県)で、1,500トン/年規模の生産設備の建設に着手する。新製造設備は、2021年4月に稼働の予定。

三洋化成・ロゴ

静電気による障害(電子回路の破壊、電化製品の誤作動、ホコリの付着)や事故(火災、爆発)を防止する「ペレスタット」・「ペレクトロン」シリーズは、近年、電子機器・精密部品の包装・搬送材料用途を中心とした需要増に加え、防爆用途などへの用途も拡大していると云う。

 

三洋化成は、今後の需要拡大に対応すべく、生産能力を増強。現在、鹿島工場で生産しているが、タイでの生産体制を整えることで、生産拠点の複数化によるグローバルな安定供給体制を強化する。

 

今回の増強により同社グループの生産能力は約4,700トン/年となる予定。

[ペレスタット・ペレクトロンシリーズについて]

 

ペレスタット・ペレクトロンシリーズは、三洋化成独自の分散制御技術により、プラスチック内部に効果的に筋状の導電回路が形成できる高分子量タイプの永久帯電防止剤(「ペレクトロン」シリーズは低抵抗タイプ)で、導電性を高めることでプラスチックにたまる静電気を逃がし、帯電防止性を付与。

 

ほこり付着防止レベル(帯電後減衰する領域)から、電子機器・精密部品の包装・搬送用途や防爆用途のようにわずかな静電気でも問題とされるレベル(ほとんど帯電しない領域)まで、目的に応じて調整できる。

 

効果的に帯電防止性を付与できる同社の永久帯電防止剤は、引張強度などの樹脂物性をほとんど低下させず、また、高分子量タイプのためプラスチックから遊離・脱落することがないと云う。

 

そのため、半永久的に効果が持続するだけでなく、クリーン度を必要とする電子部品やメディカル用途に適しているとしている。

 

 

[サンヨーカセイ(タイランド)リミテッドの概要]

 

2001年3月に本格商業生産開始。本社をバンコク市に置き、ラヨーン県に工場を構え、界面活性剤、製紙用化学品、塗料・インキ用樹脂、自動車シート用ポリウレタンフォーム原料、繊維用化学品などの製造販売を行う。

 

2006年にはテクニカルサービスラボを設立し、顧客に向けた技術支援を行っている。将来的には、三洋化成グループの主力拠点となるよう、今後も積極的に投資を行きたいとしている。

 

 

 

■(三洋化成)プラスチック産業関連製品:https://www.sanyo-chemical.co.jp/products/main/main3.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。