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2022年9月23日【IoT】

ヴァレオ、IAAトランスポーテーション2020に出展

坂上 賢治

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ヴァレオIAAトランスポーテーショで提案したLiDAR搭載トラック

 

仏・ヴァレオは、ドイツ国内で開かれたIAAトランスポーテーション( 開催地:ハノーバー / 期間:2022年9月20日から25日まで )で、「乗客輸送+貨物輸送」に係る技術提案を行った。( 坂上 賢治 )

 

ヴァレオによると前回のIAA商用車ショー開催時の4年前と比べ、事業上の受注規模を約50%拡大させる事に成功しており、額面ベースでの上積みでは数十億ユーロに達しているという。

 

これはヴァレオが、商用車向けに提案するフィールド範囲自体が5割増になっている事に加え、今日の産業界で起きている変革が、自社保有のテクノロジーに係る投資とダイレクトに連携しているからだとしている。

 

 

こうした取り組みの変化についてヴァレオでは、「今後も幅広いイノベーション領域での開発成果を提供していく事で、時代の大きな変化を乗り切り、成長戦略を加速させていく構えです。

 

そのために我々は、電動モーター等の駆動システムを筆頭にADAS、操舵システム、ドライビングに係る空間システムなどの研究が、今後、商用車にどのように役立つかを追求する新戦略「Move Upプラン」を2022年2月に発表しました。これは未来のモビリティ環境を新しい価値観をベースにゼロから創造していくものとなっています。

 

例えば、電動パワートレインでは、高出力システムから低電圧までを網羅。利用用途の旅客輸送はもちろん都市間の長距離輸送から、街のラストマイル配送までの幅広い領域をカバーしています。

 

 

その一例となる800V SiCのインバーターは、トラックの電動モーターを制御する「頭脳」にあたるもの。対して400Vと800V eAxles は車軸の中央に配置された駆動ユニットで、電動モーターとトランスミッションに、それらを制御するパワー エレクトロニクスを内蔵したものを新たに開発しました。

 

一方で動力性能面が高度なEVでは、革新的なサーマルシステム無しで成り立ちません。そこで我々は、バッテリー・サーマルマネジメント、室温制御、ヒートポンプ技術などを組み合わせて電力を極力消費しないEVバス用の冷暖房システム「ヴァレオREVO – E HPR744」を用意しています。

 

ヴァレオ ドライバーモニタリングシステム

 

また貨物輸送分野を担うヴァレオFlexHeaterでは、ドライバーに快適さを提供するEVトラック向けの低エネルギーでインテリジェントな輻射熱暖房システムを提案しています。

 

これに併せて安全面への配慮も欠かせません。同分野に関しては、運転席のフロントガラス内側に取り付けるドライバー モニタリング システム(DMS)を提案しています。これによって眠気や注意散漫を防ぐべく日常的にドライバー情報を提供。更なる誘導・警告・支援機能に繋げていくものとなっています。

 

ヴァレオCycleeドライブユニット

 

最後にCyclee テクノロジーでは、48V電動モーター、自動ギアボックス、AIによる予測ソフトウェアが統合されたシステムソリューションを提供。軽車両から排出されるCO2を最小限に抑えながら、都心の移動効率を高めていくデリバリー環境を実現させていきます」と記している。

 

eCargo

 

今後ヴァレオは、人やモノを輸送させる方法論が大きく変化する兆しを見せている中、常に持続可能なソリューションを提供できるようOEM向けの売上高の10%以上をR&D分野に還流・投資していく構えだと結んでいる。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。