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2019年1月10日【自動車・販売】

アウディAGの2018年暦年販売、中国とヨーロッパで明暗

NEXT MOBILITY編集部

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アウディAG・外観

 

 

アウディAGは、1月10日(ドイツ現地時間)、2018年暦年の全世界の車両販売台数を発表した。世界市場における販売台数は、前年比3.5%減となる約181万2,500台となった。

audi・ロゴ

2018年暦年の販売台数の内訳を地域別に見ると、ヨーロッパにおける販売台数が13.6%減少し、中国(香港を含む)でプラス10.9%。北米では、前年と同レベル(0.9%減)で推移。中国を除く他の地域全てでマイナスとなり、全体として前年比で3.5%減少。中国とヨーロッパ市場で明暗を分ける形となった。

 

また、2018年12月単月の車両販売台数は、世界で前年同月比14.3%減の約15万4,550台。全世界でマイナスとなり、大きく減らしている。

 

この発表に際して、AUDI AGの最高経営責任者(CEO) 兼 暫定販売マーケティング担当取締役のブラム ショット氏は、以下のようにコメントしている。

 

「2018年はアウディ史上最大のモデル及び技術キャンペーンが実施され、WLTP試験サイクルへの切り替えも重なったことで、予想通りの非常に厳しい一年となりました。しかし、最新モデルからの好意的なフィードバックは、弊社の力強いブランド力を示しています。私たちは、今年の新たな挑戦に向けて準備を進めています」。

 

 

 

 

[2018年暦年の地域別販売台数について]

 

<中国>

 

中国では、前年比10.9%増となる66万3,049台の車両を販売し、新記録を達成。過去10年間で、販売台数は5倍以上に増加している。

 

2018年には、現地生産しているプレミアムモデルのAudi A4 L(前年比42.6%増の16万3,279台)及びAudi A3(前年比12.7%増の9万1,173台)の需要が急増。フルサイズのフラッグシップモデル、新型Audi A8 Lも1万台以上販売した(前年比4.0増)。

 

また10月には、中国市場専用モデルで若年層をターゲットとしたAudi Q2のロングホイールベースバージョンをラインナップに追加。更に中国市場には、2019年、新型Audi A6 Lの導入も予定されている。

 

加えて、現地生産初となる電気自動車Audi Q2 L e-tron、輸入モデルのAudi e-tronにより、アウディは2019年下半期に、中国市場のモデルラインナップを電動化する重要な一歩を踏み出すとしている。

 

<ヨーロッパ>

 

ヨーロッパでの2018年の販売は、前年比13.6%減となる約74万3,600台。2018年初頭からの全販売台数の約1/3にあたるA1、A6、A7、Q3といった重要モデルのモデルチェンジや、政治的及び経済的な不安定要素と共に、新しいWLTP試験サイクルへの切り替えが重なったことが、大きく影響したとしている。

 

そんな中、Audi A7は、前年比47.4%増の約1万100台を販売し好調なセールスとなった。また、Audi e-tronが、約1万6,000台の事前予約を集めた。

 

なお、2018年12月単月の販売については、前年比20.9%減の約5万1,500台と大きく減少。

 

アウディは、追加のエンジン/トランスミッションのバリエーションを再びコンフィギュレーターに注文できるよう、引き続き各モデルの認証取得を進めていくとしている。

 

<米国>

 

米国での販売は、2017年比で若干の減少となる22万3,323台(前年比1.4%減)。スポーティなオフロードモデルのQファミリーが、米国での売り上げを牽引。市場平均を上回る前年比8.3%増の12万6,252台を販売した。なお、Qモデルの中で、最も人気の高いはAudi Q5で、前年比21%増の6万9,978台を販売。

 

SUVモデルが全体の販売台数に占める割合は、57%に達した。

 

また、アウディカナダの販売台数は、SUV人気の影響を受けて新記録を達成(前年比2.5%増の3万6,908台)。カナダは3年連続で、アウディの販売台数トップ10に入る市場となっている。

 

アウディは、北米市場について、2017年の高い水準で推移している(前年比0.9%減の約27万5,000台)との見方を示している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。