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2020年11月8日【イベント】

MotoGP13戦、スズキが1位・2位で年間優勝に王手

NEXT MOBILITY編集部

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11月8日、スペインのサーキット・リカルド・トルモで開催されたMotoGP第13戦ヨーロッパGPの決勝において、チームスズキエクスターは、ジョアン・ミルがMotoGPクラス初優勝、またチームメイトのアレックス・リンスが2位を記録し、「完璧な日曜日」を達成した。

 

 

 

 

チャンピオンシップランキングで2位と14ポイント差でヨーロッパGPを迎えたランキングトップのミルは、プレッシャーを見事にコントロールし27周のレースを制した。決勝を5番手グリッドからスタートしたミルはオープニングラップでポジションをひとつ上げ4番手に。ミルはその後も果敢に攻め、ポジションを3番手、そして2番手に上げる。

 

 

 

ウェットパッチの残るサーキットで数人のライダーが転倒する中、ミルは驚異的なレースペースで17周目の11コーナーでチームメイトのアレックス・リンスをオーバーテイクする。その後ミルは後ろを振り返ることなく20周目にはファステストラップを記録し、最後まで猛チャージを繰り返す。ラスト5ラップでは後続と1秒の差をつけ、ミルはMotoGPクラス初優勝を飾った。

 

 

 

一方のアレックス・リンスはグリッド2番手からロケットスタートを切り、安定したハイペースでレースをリード。リンスは17周目まで常にレースをリードし続けるが、ギヤのシフトミスにより17周目にチームメイトにオーバーテイクを許す。3番手を走行するポル・エスパルガロ(KTM)の激しい追い上げのプレッシャーに遭うも、リンスは最後までポジションをキープし、2位でチェッカーを受けて今季3度目の表彰台を獲得した。リンスは今日の結果により、ランキングトップのチームメイトのミルから37ポイント差のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)と同ポイントの3位となった。

 

 

 

 

チームスズキエクスターは、3戦連続のダブルポディウム獲得となったが、スズキの1-2フィニッシュは1982年ドイツGPのランディ・マモラ、バージニオ・フェラーリ以来の記録となる。またチームスズキエクスターはコンストラクターとチームチャンピオンシップでもトップポジションとなっている。

 

 

 

 

チームメンバーのコメントは以下の通り。

 

 

■ 河内 健 テクニカルマネージャー

「今日はチームにとってパーフェクトな結果となりました。ジョアンに優勝おめでとう!と心から言いたいです。アレックスも前戦に続いて連続で2位表彰台を獲得してくれ、素晴らしい結果なのですが、多分彼は優勝をしたかったと思うので、悔しい気持ちでいっぱいなのではないかと思います。このようにチームがふたりで競い合って好成績を出すというのが理想の形だと思うので、それを満足に思っています。今週はドライコンディションがあまりなく難しいレースだったのですが、良い結果を出すことができて本当に嬉しいです。来週もここでもう一度レースがありますので、同じ結果を再現できるように頑張りたいと思います。チーム、ライダー、そして日本で開発してくれているスタッフの皆さん、どうもありがとうございました」

 

 

 

 

■ ダビデ・ブリビオ チームマネージャー

「スズキがMotoGPで1-2フィニッシュをするという展開を長いこと夢見ていましたが、今日それを実現することができて本当に誇りに感じています。このような素晴らしい結果を生むために日々努力を続けてくれたチームとライダー、開発スタッフに心から感謝します。スズキは現在コンストラクター、チーム、ライダーの全てのチャンピオンシップでトップに立っており、この夢のような状態がシーズン最後まで続いて欲しいと願っていますが、あと2戦残っているので気持ちを緩めることなく、最後まで集中して挑戦したいと思います」

 

 

■ ジョアン・ミル

 

 

 

 

「本当に嬉しい!としか言いようがないよ。今週末はチームと僕で完璧な仕事ができたと思う。タイトル争いの渦中にいる時はいつも以上に慎重にならなければならないから、100%の力を出し切って走るのは容易ではないけど、今日は初優勝のチャンスが見えたからなんとしてでもそのチャンスを手に入れたかった。マシンのフィーリングは完璧だったから絶対にいける!と思ったしね。MotoGPクラスで優勝する喜びは一言では言い表せないくらい本当に何とも言えない思いだよ。今週末は天候が不安定で、決勝に向けては不確定な要素も多かったから、その難しい状況で優勝できたなんて本当に夢のようさ。タイトル争いはまだ終わっていないから、来週末もとにかく集中して、自分がやるべきことをしっかりやっていくよ」

 

 

■ アレックス・リンス

 

 

 

 

「レースの大部分をリードできたし、そのまま最後までリードしてゴールしたかったんだけど、17周目の11コーナーでギヤのシフトをミスしてしまってワイドラインになってしまった時にジョアンにオーバーテイクされてしまった。ジョアンがトップに立ってからは彼のペースが本当に速くて、自分も全開で追いかけたけど敵わなかったよ。自分自身は優勝できなかったから完璧なレースだったとは言い難いけど、ジョアンは念願の優勝を手にし、スズキは1-2フィニッシュ。そして僕自身はチャンピオンシップで20ポイントを加算してランキングが上がり、チームにとって最高の1日になってとても嬉しいよ。残り2戦、まだまだ獲得できるポイントは沢山残っているから、最後まで諦めず、来週もできるだけ多くのポイントを獲りにいくよ」

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。