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2021年5月14日【テクノロジー】

JST、自動運転技術を用いたAI教習システムを発表

NEXT MOBILITY編集部

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科学技術振興機構(JST)は5月14日、東京大学大学院情報理工学系研究科の加藤真平教授らの研究グループが、ドライバーの運転行動の定量的な評価手法、および評価に基づく危険回避手法をシステム化することでAI教習システムを製品化したことを発表した。

 

自動車運転教習所は教習指導員の高齢化や採用難による人材不足により、新規免許取得者や、高齢者講習の予約待ち(平均2~3ヵ月)が問題となっている。JSTは、製品化したシステムを自動車教習所に適用することで、教習指導員の業務負荷軽減のみならず、新規免許取得者や高齢運転者の受け入れ拡大につながるとしている。

 

なお、このシステムは、加藤真平教授らの研究グループが行う「完全自動運転における危険と異常の予測」の研究の一環として、模範的運転モデル対象として自動車教習所の教習指導員に着目し、その運転行動をルール化した運転モデルを開発。また、自動運転技術を用いてリアルタイムに得られる位置推定や障害物検知の結果を評価指標とすることで、開発した運転モデルを使い、ドライバーの運転行動の定量的な評価および評価に基づく危険予測を可能としたもの。

 

発表のポイント
・自動車教習所の教習指導員に着目し、その運転行動をルール化した運転モデルを開発した。
・開発したモデルと自動運転技術を用いて危険回避の手法を確立し、AI教習システムとして製品化した。
・AI教習システムを自動車教習所に適用することで、教習指導員の高齢化などさまざまな課題の解決につながると期待される。

 

 

加藤真平教授らの研究グループは、科学技術振興機構(JST)CRESTにおいて「完全自動運転における危険と異常の予測」についての研究に取り組んでいる。自動運転に必要となる模範的な運転モデルの構築には、運行設計領域(ODD: Operational Design Domain)を定義すること、かつODDにおけるシステムの振る舞いを定義した無数のユースケースとシナリオに対応することが難題とされてきた。

 

研究では模範的な運転モデルの対象として自動車教習所の教習指導員に着目し、ODDを自動車教習の範囲に限定し、かつ教習指導員による評価項目のみを評価指標とすることで、特定のユースケースとシナリオに基づいた運転モデルの開発に成功した。

 

カメラやレーダーを用いた従来の自動運転では、人間の運転モデルを再現できるほどの位置推定精度や障害物検知精度を達成できなかった。この研究では、LiDAR(Light Detection and Ranging)と呼ばれる自動運転に特化した高精度なセンサー(図1)および、LiDARの観測データと PCD高精度地図(図1)を照らし合わせることで位置推定や障害物検知を行う自動運転ソフトウェアであるAutowareを導入し、センチメートル級の位置推定精度や障害物検知精度を達成した。

 

 

図 1 LiDAR センサーと自己位置推定

 

 

また、車内に設置したカメラで取得した画像から機械学習モデルを用いてドライバーの顔向き推定することを可能とした(図2)。

 

 

図 2 機械学習モデルを用いた顔向き推定

 

 

これらの結果を評価指標とし、開発した運転モデルを用いて評価することで、右左折前の車両の寄せ方や目視による確認、ショートカット、大回りなどの運転行動を教習指導員と同等の精度で評価するルールベースの評価手法を構築した(図3)。

 

図 3 運転技能評価の仕組み

 

この評価手法を自動車教習所における教習業務に適用するにあたっては、走行経路を複数区間に分割し、区間ごとに評価指標とその閾値を設定したうえで、閾値の範囲外の運転行動を異常と判定し、その結果をドライバーにフィードバックする AI教習システムを開発。

 

また、異常と判定した運転行動の中で、特に危険な運転行動に対しては教習指導員が行うのと同様のブレーキ制御を自動で行うことで危険を回避する機能を実現した。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。