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2019年7月1日【アフター市場】

東京海上日動、米企業と提携し被害状況のリアルタイム確認を導入

NEXT MOBILITY編集部

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東京海上日動火災保険は、米国、カリフォルニア州のSightCall社と業務提携し、7月から、Webブラウザ上で映像を共有しながら対話を行う「リアルタイムコミュニケーションシステム(以下、WebRTC)」を、事故や災害による建物等の被害状況の確認時に導入する。

 

このシステムの導入で、遠隔地にいながら早期かつ正確に建物等の被害状況を確認できるようになるため、より迅速な保険金の支払いが可能となると云う。

東京海上日動・ロゴ

[背景]

 

台風や豪雨などが発生した際には、建物等の被害の状況を確認するため、保険会社の査定担当者や損害鑑定人が、現地での立会調査またはオフィスでの書類調査を実施し、保険金の支払い対象有無を判断した上で、対象となる場合は保険金の額を算定し、保険金の支払いを行う。

 

立会調査または書類調査のいずれの方法で調査を実施するかについては、被害の状況や規模等に応じて個別に検討しているが、立会調査については、査定担当者が保険契約者と日程調整をした上で、一件一件被災物件を訪問して算定するため、実際に訪問するまで、保険金の支払い対象有無の判断を行うまでに一定の時間を要している。

 

また、書類調査については、保険契約者から受領した現場の写真や被害額の見積書等から保険金の額を算定しきれない場合、追加で書類を要求したり立会調査に切り替えたりする必要が生じ、立会調査同様、一定の時間を要している。

 

以上のように、従来の調査方法では保険金の支払いまで一定程度の期間を要し、特に大規模な災害発生時には相応の時間と人員を要することから、より迅速に被害状況を確認するための体制を整備していく必要があった。

 

 

[取組みの概要]

 

東京海上日動は、SightCall社と提携し、同社のWebRTCシステムを7月から、主に損害調査プロセスで導入する。

 

10年以上にわたる遠隔ビデオアシスタント技術の開発経験を有し、世界80ヶ国以上への導入実績があるSightCall社が提供するWebRTCは、写真や動画を被災現場と遠隔地のオフィスの双方で共有しながら、画面上に書き込みを行うなどして、リアルタイムに双方向コミュニケーションができるシステムで、動画・音声が高解像で、通信も安定。

 

遠隔操作できる各種機能が充実しているだけでなく、活用場面に応じた柔軟なカスタマイズができ、さらに、各種クラウドサービスと連携して人工知能(AI)を活用した技術を組み込むことも可能だと云う。

 

東京海上日動は、このシステムの導入で、例えば被災現場にいる保険契約者や代理店と、オフィスにいる東京海上日動社員や鑑定人等をリアルタイムに接続。現場訪問までの時間や、必要書類の再提出の手間を減らして、早期かつ正確な被害状況の確認が可能になることで、迅速な保険金の支払いに繋がるとしている。

 

 

 

 

 

<活用事例>

 

・集中豪雨などによる水災の被害において、立会調査をせず、保険金の支払い要件(床上浸水または地盤面より 45cmを越える浸水の有無)の確認が可能。

 

・地震による被害に際して、被災地にいる社員が迅速かつスムーズに立会業務を行えるようになり、早期の保険金支払いが可能になる。

 

・漏水による被害において、漏水の原因箇所や被害の範囲を早期かつ正確に確認することが可能になる。

 

・その他幅広い事故において、見積書と照らし合わせながら、被害状況を確認することが可能になり、追加で多くの写真を提出する必要がなくなる。

 

 

東京海上日動は、最先端のテクノロジーを活用することで、更なる「安心」「安全」の提供に取り組んでいくとしている。

 

 

■SightCall(英語):https://sightcall.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。