NEXT MOBILITY

MENU

2020年12月10日【部品・生産】

デンソー、FCV向けにSiCパワー半導体を量産

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
SiCパワー半導体搭載の昇圧用パワーモジュール

デンソーは12月10日、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュール(*1)の量産を開始したと発表した。なお同製品は、12月9日に発売されたトヨタ自動車の新型「MIRAI(ミライ)」に採用されている。

デンソー・ロゴ

SiCは、従来のSi(シリコン)よりも、高温、高周波、高電圧環境での性能が優れる半導体材料。

 

デンソーは、SiCパワー半導体(ダイオード、トランジスタ)を車載用途に適応させるため、SiC技術「REVOSIC(レボシック/*2)」の研究開発に取り組み、2014年にオーディオ向けSiCトランジスタを実用化、2018年には車載用SiCダイオードが燃料電池バス(TOYOTA SORA)に採用された。

 

そして今回、車載用SiCトランジスタの新たな開発により、デンソーとして初めて、SiCトランジスタとSiCダイオードの双方が車載に搭載されることとなった。

 

 

SiCパワーデバイス(左)と、そのトレンチゲート構造(右)

SiCパワーデバイス(左)と、そのトレンチゲート構造(右)

 

 

トレンチゲート型採用のこのSiCトランジスタは、デンソー独自の構造や加工技術により、厳しい車載環境下で求められる高信頼性と高性能を両立。従来のSiパワー半導体搭載製品と比較して、SiCパワー半導体(ダイオード、トランジスタ)を搭載した次期型昇圧用パワーモジュールでは、体積が約30%、電力損失が約70%抑えられるため、昇圧用パワーモジュールの小型化と車両燃費の向上に貢献すると云う。

 

SiCパワー半導体ウエハ

SiCパワー半導体ウエハ

 

 

デンソーは、今後もSiC技術「REVOSIC」の研究開発を推進し、ハイブリッド車・電気自動車などの電動化車両への搭載を拡げ、低炭素社会の実現に向け、貢献していくとしている。

 

 

*1)昇圧用パワーモジュール:入力電圧より高い電圧を出力するために、搭載した複数のSiCパワー半導体を駆動する製品。

*2)REVOSIC:高品質と低損失を実現するデンソーのSiC技術の総称。革新的なSiC技術で社会に「変革」を促すことを目指しREVOSICと命名。業界最高品質(超低欠陥)を誇るウエハから高効率を実現したパワーモジュールまで総合的な技術開発を進めている。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。