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2019年12月20日【物流】

トヨタ、東海地域での「引き取り物流」に着手

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ・本社外観

 

 

トヨタ自動車は、部品仕入先・輸送会社と協力して全体最適を追求した効率的な輸送の仕組みを新たに構築するため、従来の部品仕入先手配による「お届け物流」から、トヨタ手配による「引き取り物流」に変更、東海地域で来年9月から開始する。

トヨタ自動車・ロゴ

トヨタでは、現在、全国的にドライバー不足が深刻化している物流において、2030年に2015年比でトラックドライバーが26%減少すると試算(*1)。

 

加えて、CO2排出による環境負荷について、2030年に2013年比でマイナス26%の水準が求められている(*2)ことから、こうした社会的な課題への対応が急務となっているとしている。

 

また今年、政府と企業が一体となって、ドライバーがより働きやすい環境づくりを目指す「ホワイト物流」推進運動が開始され、トヨタも賛同企業の一員として参画している。

 

以上のような物流業界の現状を鑑み、トヨタでは、2016年から九州地域で、2018年からは東北地域において、先行して「引き取り物流」を部分的に実施。

 

関係する部品仕入先や輸送会社の協力を得て様々な改善に取り組んできた結果、ドライバーの働きやすさを高めたうえで、約12%の輸送効率化(*3)と、CO2排出量約6%の削減を実現したと云う。

 

今回「引き取り物流」に着手する東海地域では、九州・東北地域で実績のある以下のような取り組みを、さらに大規模に実施する。

 

・荷物積み降ろし場の整備により荷役作業時の「ドライバーの負担低減」「安全性向上」を実現。

 

・複数の部品メーカーを1台のトラックが効率的に集配して回る「ミルクラン」方式の導入により、「積載率向上」と「総走行距離の削減」を実現。

 

・トヨタが一括して輸送を手配する「引き取り物流」への変更に伴い、輸送計画立案・オペレーションをトヨタが実施することで、全体最適な輸送体制を構築。

 

・輸送現場からの要望や困り事の吸い上げを通じ、継続的な改善 及び、ホワイト物流を実現。

 

トヨタは、これら一連の取り組みを東海地域に展開することに加え、九州・東北地域での対象を更に拡大することで、従来に比べて約8%の輸送効率化や、CO2排出量の約8%削減が期待できるとしている。

 

また、輸送に関わる人々にとって働きやすい環境づくりと環境負荷の低減を行うことで、モノづくりの根幹を支えている物流を長く安定的に維持する取り組みを進めるとしている。

 

 

*1:トヨタ試算。
*2:環境省「日本の約束草案」(平成27年)より。
*3:トラックの積載率を高めることで従来より12%少ないドライバーで高効率な輸送を実現。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。