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2022年10月13日【事業資源】

ヴァレオ、EV向けサーマルシステムの受注獲得に注力

坂上 賢治

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ヒートポンプソリューションでステランティスからの大型受注を獲得

 

仏ヴァレオは10月13日、EV向けサーマルシステムでの受注獲得の好調さを公表している。( 坂上 賢治 )

 

そもそもヴァレオは、2019年から完成車メーカーへ向けて自社開発のヒートポンプソリューションを供給しており、次世代のEVプラットフォームにも、この基礎技術をベースとした製品提供を積極展開している。同社はこれを踏まえ、先の9月具に同分野でステランティスから大型受注を獲得した。

 

システムサイズがコンパクトであるゆえに統合が容易な同社のヒートポンプは、高い電力効率と冷却効率を持ち合わせている。このためバッテリーの急速充電を可能にし、車室内で快適に過ごすために求められる充分な空調能力を備えているという。

 

またその前月の8月には、欧州で別の完成車メーカーとも契約を結んだ。これによりヴァレオはEVプラットフォーム向けに、EV用エアコンユニットとフロントエンド冷却モジュールの供給を開始した。

 

完成車メーカーに対して高い静粛性を強みに独自の提案力が活かせている

 

ちなみに同分野では、完成車メーカーに対して高い静粛性を強みに独自の提案力が活かせているとした。というのは、これまでの内燃エンジン搭載車で空調機の音は、エンジン音にかき消されて目立たなかった為で、内燃エンジンが存在しないEVでは、耳障りなノイズはクルマの乗員に簡単に聞こえてしまう事から静粛性が重要になる。

 

加えてヴァレオは中国の完成車メーカーともEV用サーマルシステム(スマート・ヒートポンプ)の追加注文を獲得。この際の納入ユニットは、バルブ、ポンプ、熱交換器で構成されている超小型の統合型スマート・ヒートポンプ・モジュールであり、こちらは2023年から量産が始まるという。

 

またバッテリー冷却システムに係る分野でも、既に欧州メーカーと大型契約を結び、中国と欧州の4つの顧客からも電気ヒーターと、2つの主要なEVプラットフォーム向けの電動コンプレッサーの受注も獲得した。

 

結果、ヴァレオは今年、自動車の電動化に特化したサーマルシステムで40億ユーロ以上の受注を獲得しており、これは前年同期と比べ100パーセント増の規模拡大にあたる。更にこの5年間を遡ると、同社は合計114億ユーロを受注。同実績はヴァレオのサーマルシステム受注全体の70パーセントを占めた。

 

電動化向けサーマルシステムの年初からの受注額は40億ユーロ以上に

 

ヴァレオのサーマルシステム・ビジネスグループのプレジデントであるフランシスコ・モレノ氏は、「2025年までに、EV向けのサーマルシステムは、内燃エンジン車用に製造されたシステムより、2.5倍の価値を創造するでしょう。

 

年初からの好調な販売実績は、Move Upプランに沿った電動化の加速がすでに進行中であり、ヴァレオがこの取り組みへのギアをアップしたことを示しています。

 

現在、サーマルシステムで世界第2位のサプライヤーであるヴァレオは、EV向けの包括的な技術ポートフォリオを有しています。

 

2021年に63億ユーロに達しているEV向けサーマル システム市場は、今後5年間で3倍以上に拡大し、2025年には210億ユーロ、2030年には400億ユーロ近くに達する見込みです」と述べている。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。