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2018年12月12日【テクノロジー】

日立、自動運転制御ソフト更新の高速化技術を開発

NEXT MOBILITY編集部

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日立製作所(日立)と日立オートモティブシステムズは、産業機器や自動車の自動運転用制御システムにおいて、システム上で動くソフトウェアを高速に変更できる技術を開発した。

 

同技術では、制御システムの機能変更や追加、また、万一の異常発生時に、ソフトウェアを高速に上書き修正し、システムを停止をせずに動作の継続が可能。産業機器や自動車の自動運転時の安全性や信頼性を向上する。

日立・ロゴ

日本をはじめ、多くの先進国では、少子高齢化に伴い、労働力人口の減少や高齢者の移動困難などの社会課題が予測されており、産業機器や自動車の自動運転による課題解決が期待されている。中でも、自動運転の普及に向けては、さらなる安全性や信頼性の確保が重要となる。

 

その際、さまざまな外部環境の変化に応じた制御システムの機能変更や追加、また、万一の異常発生時の対応が必要となるが、従来の制御システムでは機能の柔軟な変更が困難だった。

 

そこで日立は、産業機器や自動車の自動運転用に、ソフトウェアにより制御システムの機能を柔軟に変更することができるミドルウェア技術を開発。

 

この技術では、制御システムの自動運転中に、外部センサーからの入力情報や、入力情報を判断し次の動作を決めるための計算値をバックアップ領域に保存。制御システムの機能を変更する場合には、バックアップ情報を用いて、入力情報の再生や、次の動作を決めるための計算値の上書き修正を高速に実施する。

 

この技術により、信頼性や安全性の高い自動運転の実現を可能とするとしている。

 

 

 

[技術の概要]

 

日立と日立オートモティブシステムズは、1/10スケールの実験車両で自動運転を模擬し、同技術を検証。

 

CPUの故障が発生し機能の変更が必要な状況を模擬するため、実験車両の試験走行時に、ソフトウェアの停止命令を発行し、疑似的に制御システムに異常を発生させても、ソフトウェアを修正して制御を開始するまでの時間が従来比約7倍に高速化し、安定した走行制御を継続できることを確認した。

 

検証に用いた実験車両

検証に用いた実験車両

 

今後、日立は、実証実験などを行い、同技術を産業機器や自動車などのモビリティシステムへの適用を目指す。また、日立オートモティブシステムズは、本技術を搭載した自動運転ECU(*1)の製品化について日立と連携して検討を行い、自動運転システムの普及拡大を目指すとしている。

 

*1:ECU (Electronic Control Unit):自動車制御に用いられるコントローラの略称。

 

 

[問い合わせ先]

 

株式会社日立製作所 研究開発グループ

 

■(日立)研究開発 お問い合わせフォーム:https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/hqrd/news/jp/form.jsp?__CAMCID=lknjlhToJY-387&__CAMSID=fOdDehgeoyIX-20&__CAMVID=eOddehgeoyix&_c_d=1&_ct=1544602915467

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。