日産自動車とハスナウイ・グループは、アルジェリアおよびアフリカ全土で自動車需要が拡大することを見込んで、総額1億6千万ドルを投じ、アルジェリアに新しく自動車工場を設立する。
日産およびハスナウイ社は、昨年12月6日にアルジェリア政府の承認を受け、今後、共同出資によるジョイント・ベンチャーを設立する。
アルジェリアの新工場は、将来、乗用車と小型商用車6万3,500台の年間生産能力を有し、複数のモデルを生産する予定。日産のアフリカ地域での潜在的生産能力は、新工場と、既存の南アフリカ、エジプト、ナイジェリアの工場を合わせ、総計約20万台にまで拡大する。
新工場の設立で、中長期的には、アルジェリアで少なくとも1,800人の雇用を創出。日産は、日本からチームを派遣し、同国のサプライヤと共働し、技術的なサポート、トレーニング、スキルの交換を通して現地のサプライチェーンの発展に努める。
ハスナウイ・グループは、1964年に設立され、製造、流通およびサービス業で、アルジェリア経済の中心的な役割を担ってきたと云う。
その子会社の日産アルジェリアは、25年にわたり日産車を販売。販売台数の増加予想に従い、現在35店舗の販売網を拡大する予定。日産は、2021年までにアルジェリア屈指の自動車ブランドへ成長することを目指すとしている。
日産は、中期計画の「Nissan M.O.V.E. to 2022」に則り、アフリカ、中近東およびインド地域でのプレゼンス倍増を計画し、アルジェリアのような新興市場での生産工程の拡大を成長戦略の一環として掲げている。
アルジェリアは、2021年までにアフリカ第2位の規模を持つ市場になるとみられ、同国政府は経済の多角化をめざし、現地サプライヤの基盤を拡大しつつ、最終的には年産50万台まで拡大することを目標としている。
日産のアフリカ・中近東・インド マネジメント コミッティ(MC AMI)担当の専務執行役員(SVP)のペイマン カーガー氏(タイトル写真)は、次のように話している。
「新型モデルと革新的なテクノロジーをもたらすことで、日産は、アルジェリアのお客さまのご期待に添えるようになります。ハスナウイ・グループと協力し合う中で、当社は、アルジェリアの素晴らしい製品やサービスといった強力な財産を既に享受しております。日本のエンジニアリング技術を活用して生産ハブを築き、部品産業の発展に努めていきます」。
また、ハスナウイ社長のセフィアン・ハスナウイ氏は、次のように話している。
「雇用と現地化を軸にした産業化はこの国の発展を約束するものです。そして、真の持続可能な価値を持つ我が国の経済は我々に富みと強い産業力をもたらします」。