NEXT MOBILITY

MENU

2019年11月25日【経済・社会】

神戸市と日産ら、電気自動車を活用する災害連携協定

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

 

 

神戸市と、日産自動車ならびに、兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売、神戸酒心館の5者は、11月25日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結した。

協定は、神戸市が「台風、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、日産の販売会社である兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売より貸与される電気自動車(EV)の日産リーフを非常用電源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」というもの。

 

さらに、災害発生により神戸市内での水の確保が困難となった際には、神戸の酒造メーカーである「神戸酒心館」が所有する飲料水を、日産リーフで運搬し、市民へ提供する。

 

この協定の締結により、神戸市では、災害時に市民に電気と水の供給が可能となる。

 

なお、日産が自治体・企業と締結した災害連携協定は、今回の提携で全国14件目。災害時の電気と水供給という組み合わせの協定締結は、初の取り組みとなる。

 

 

[協定の概要]

 

・日産および兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売は、神戸市で災害発生を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。

 

・神戸市、日産自動車、兵庫日産自動車、日産プリンス兵庫販売の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。

 

・神戸酒心館は、災害発生により、神戸市内で水の確保が困難な場合に、自社で所有する飲料水を、日産の電気自動車(EV)にて運搬し、市民へ提供することで、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る(貯水槽の容量は、72,000リットルとなり、1日あたりの摂取量を約1.5リットルとした場合、1日100人分で480日間の飲料水を提供することが可能)。

 

・貸与した「日産リーフ」から神戸酒心館にて電力供給し、神戸酒心館を一次避難所として活用することや、帰宅困難者に対し、携帯電話の充電やKOBE FREE Wi-Fi通信利用サービスを提供し、安否確認の情報収集などに活用できる体制構築を検討する。

 

日・産の環境教育プログラム「わくわくエコスクール」を、神戸酒心館の主催する市民参加の田植え活動に合わせて実施し、共同で環境への啓蒙活動を実施することを検討する。

 

 

災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

災害発生時の「日産リーフ」からの電力供給イメージ図

 

 

神戸市では、日頃から、災害が起きた際にも市民の安全・安心を確保できるよう様々な防災体制を強化しているが、今後、より災害に強い街づくりに向けた次世代自動車普及を目指して、電気自動車をはじめとする次世代自動車や、外部給電器購入時への補助金交付制度の導入を検討する。

 

日産は、電気自動車(EV)の販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のため、「ブルー・スイッチ」等、EVの生み出す新たな価値を発信し、よりよい社会づくりに貢献していくとしている。

 

神戸酒心館は、平成7(1995)年1月17日に発生した、阪神淡路大震災で大きな被害を受けたが、各方面からの支援によって復興。来年、阪神淡路大震災発生から25年目迎える神戸市で、市の防災、減災に対する取り組みなどを参考に、「住み続けられるまちづくり」(SDGs:11)に寄与するため、神戸・灘五郷から自然環境を大切にする酒蔵を目指すとしている。

 

神戸市、日産、神戸酒心館は、この協定締結を機に地域防災力向上、環境活動での連携を強化していくとしている。

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。