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2019年4月4日【エネルギー】

トヨタ元町工場、再エネ由来水素の製造・供給ステーション導入

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ自動車は、小型の水電解式水素発生充填装置「シンプルフューエル(SimpleFuel/*1)」を愛知県豊田市の元町工場に導入した。

 

シンプルフューエルは、工場敷地内にある太陽光で発電した電力を利用して、水の電気分解により低炭素水素を製造し、さらに圧縮・蓄圧した上で、燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)に充填するまでの工程を一貫して対応できる水素ステーションで、水素の製造量は最大99Nm3/日(約8.8kg/日)、FCフォークリフト7台~8台分の充填が可能。

 

また、コンパクトサイズのため、小さいスペースに設置でき、工場内でFCフォークリフトに充填する用途に適していると云う。

トヨタ自動車・ロゴ

現在、元町工場では、FCフォークリフトの導入拡大に伴い、昨年3月に水素ステーションを稼働。今後の水素の需要増を見据え、シンプルフューエルの活用で供給面での対応を図り、同工場のCO2排出削減とともに、新たな技術や知見の蓄積を進めるとしている。

 

 

昨年3月に稼働した水素ステーション

昨年3月に稼働した水素ステーション

 

 

トヨタでは、工場でのCO2排出量削減に向けて、現在使用しているエンジン式フォークリフトをFCフォークリフトに置き換えていく予定で、先ず元町工場において、豊田自動織機製のFCフォークリフトを2017年に2台、昨年には20台を導入。

 

今年に入ってから、環境省の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(再エネ水素を活用した社会インフラの低炭素化促進事業)」を活用し、シンプルフューエルを導入したほか、FCフォークリフトをさらに50台追加している。

 

なお、トヨタは愛知県をはじめ、関係自治体、企業とともに、「あいち低炭素水素サプライチェーン推進会議」を通じて、再エネを活用し「つくる・はこぶ・つかう」という水素のサプライチェーン全体の低炭素化を推進。今回の再エネ由来水素を製造し使用する取り組みは、愛知県が制定した「低炭素水素認証制度」からの認定を受けている。

 

 

 

 

トヨタは、2015年に公表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つとして、「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、工場での水素利用を目指して水素エネルギー活用技術の開発・導入を推進。

 

その一環として、元町工場においてシンプルフューエルやFCフォークリフトの導入・利用を進めており、今後も、「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けて着実に取り組んでいくとしている。

 

 

[SimpleFuelの仕様]

 

– 水素製造量(最大):99Nm3/日(8.8kg/日)
– 貯蔵量:72.18Nm3
– 水素純度:99.97%
– 水素充填圧力:35MPa
– 水素発生方式:アルカリ水電解方式

 

*1:米国IVYS Energy SolutionsとPDC Machinesの2社が共同で製造。日本での販売は東京貿易メカニクスが担当。

 

 

■(東京貿易メカニクス)SimpleFuel:http://www.tmex.jp/business/simplefuel.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

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佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。