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2021年12月10日【テクノロジー】

ボルボ・カーズ、北欧のバッテリー企業とR&Dセンター開設

NEXT MOBILITY編集部

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スウェーデンのボルボ・カーズは現地時間の12月10日、バッテリー開発・製造への300億クローネ(約3,759億円/※1)の投資の一環として、同国のバッテリーベンチャー企業であるノースボルト社(Northvolt/※2)と、イェーテボリ(Göteborg)に共同研究開発(R&D)センターを開設すると発表した。

ボルボ・カーズのR&D部門や、スウェーデンのヴェステルオースにある既存のイノベーション・キャンパス「ノースボルト・ラボ」に近接するこのR&Dセンターは、2022年に操業を開始し、航続距離や急速充電時間など、ボルボ・オーダーメイドのバッテリーを開発。イェーテボリでは、数百人の雇用創出が見込まれると云う。

 

両社はさらに、R&Dセンターの設立後、ボルボとポールスターの次世代EV車両搭載のため特別開発された次世代バッテリーセルを生産する、新たな製造工場をヨーロッパに建設(※3)。この共同工場については、既にヨーロッパに適切な場所を見つけるための選定プロセスの最終段階に入っており、2023年に建設を開始、2026年には大規模な生産を開始する予定。

 

工場は、年間生産能力最大50ギガワット時(GWh)、年間約50万台のバッテリー生産規模で、最大3,000人の雇用を見込んでいる。

 

 

 

 

ボルボ・カーズでは、EVの最大のコスト要因であり、かつカーボンフットプリントの大部分を占めるバッテリーの開発・製造に於いて、ノースボルト社と真のエンド・ツー・エンドシステムを構築。今後10年の半ば迄に新車販売の50%を、そして2030年までに100%をEVに置き換えるという目標を掲げる同社にとって、ノースボルト社との協業は、その達成のために非常に重要な位置づけであるとしている。

 

 

※1:1SEK=12.5円にて換算(2021年12月13日現在)。
※2:ノースボルト社は、2016年に設立。CO₂排出量を最小限に抑えた世界で最もグリーンなリチウムイオンバッテリーを提供するというミッションを掲げる持続可能で高品質なバッテリーセルとシステムを提供するヨーロッパのサプライヤー。これまでに、BMW、Fluence、Scania、Volkswagen、Volvo Cars、Polestarなどの主要顧客から270億ドル相当の契約を獲得しており、また、2030年までに必要な全原材料の50%をリサイクルバッテリーから調達するためのリサイクル能力を確立する計画を支援している。
※2:工場の建設予定地は、2022年初頭に決定予定。

 

 

[各社CEOのコメント]

 

ボルボ・カーズ ホーカン・サムエルソン氏

 

「ノースボルトとの協業により、次世代の電気自動車であるボルボ車のために、高品質で持続的に生産されるバッテリーの供給を確保することができます。これは、完全な電気自動車メーカーへの変革に於いて、我々のコア・コンピタンスとその地位を強化するものです」。

 

ノースボルト ピーター・カールソン氏

 

「ボルボ・カーズは、ヨーロッパで製造され、カーボンフットプリントが非常に少なく、車両と最適化されることにより、次世代の電気自動車で最高の性能を発揮するバッテリーセルの供給体制を構築する上で、素晴らしいパートナーです」。

 

 

■Northvolt:https://northvolt.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。