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2021年6月22日【政治経済】

国交省、航空運送事業基盤強化方針を策定

NEXT MOBILITY編集部

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国土交通省は6月22日、第204回通常国会での航空法等一部改正法の成立を受け、同法に基づき国土交通大臣の定める「航空運送事業基盤強化方針」を策定し、公表した。

国土交通省・ロゴ

第204回国会(常会)で成立した改正航空法により、世界的規模の感染症の流行等で航空会社の経営に甚大な影響が生じた場合にも、安全かつ安定的な航空ネットワークの維持・確保するため、国と航空会社が一体となって航空運送事業の基盤強化を図る制度が創設された。

 

これを受け、国土交通大臣は、今般のコロナ禍による影響に鑑み、事業基盤強化の意義やそのための支援策の方向性等を示す「航空運送事業基盤強化方針」(大臣告示)を策定。これにより今後航空会社は、ネットワーク維持・確保のための運航方針や設備投資の内容等についての計画を作成し、その実施状況を定期報告することとなった。

 

 

[基盤強化の意義・目標]

 

航空ネットワークは、公共交通として国民の社会経済活動を支えるとともに、ポストコロナの成長戦略の実現にも不可欠な「空のインフラ」であることから、今後も必要な安全かつ安定的な輸送を確保できるよう、政府及び航空会社は、航空運送事業の基盤強化のため、それぞれ講ずべき施策・措置を明確にし、実行。これにより、今後の需要回復に速やかに対応すると共に、ポストコロナに向けた需要増加に対応するために必要な供給体制を確保していく。

 

また、日々の安全運航を支える航空業界の人材の雇用の維持は極めて重要であることから、政府としても、その雇用維持のための支援を行う。

 

 

[基盤強化のために政府が実施すべき施策]

 

①機材投資等の支援

・着陸料や航空機燃料税等の1,200億円規模の減免。

 

②資金繰り等の支援

・日本政策投資銀行等の危機対応融資等。

 

③雇用維持

・雇用調整助成金や産業雇用安定助成金の活用等。

 

④収益性向上努力の支援

・感染拡大防止策等への支援、国際往来再開に向けた適切な対応等。

 

⑤コスト削減努力の支援

・乗員・整備分野における安全にかかる手続の合理化・柔軟化。
・飛行経路の短縮等による消費燃料の削減。

 

⑥カーボンニュートラルへの対応など国際競争力強化

・機材・装備品等への新技術導入、飛行経路の短縮等の管制の高度化による運航方式の改善、SAFの導入促進等。

 

 

[空港の機能の確保のために政府が実施すべき施策]

 

①空港関連企業の維持・強化

・空港整備事業に対する無利子貸付、運営権対価の支払猶予。
・日本政策投資銀行等の危機対応融資等。

 

②雇用維持

・雇用調整助成金や産業雇用安定助成金の活用。

 

③その他

・感染拡大防止策への支援、カーボンニュートラルへの対応。

 

 

[航空会社が講ずべき措置]

 

①事業構造の変革

・コスト改革、持続可能なビジネスモデルの転換、低燃費機材の導入等。

 

②財務基盤強化

・資金繰りの確保、資本性資金の調達等による財務基盤の強化。

 

③雇用維持

・雇用調整助成金等を活用しつつ、将来の成長のための雇用維持。

 

 

[問い合わせ先]

 

国土交通省航空局航空ネットワーク部航空事業課 川端、林
電話:(03)5253-8111(内線48502、48512)直通 03-5253-8706

 

国土交通省航空局航空ネットワーク部航空ネットワーク企画課 藏、渡延
電話:(03)5253-8111(内線49102、49624)直通 03-5253-8715

 

 

■(国交省)航空運送事業基盤強化方針(本文/PDF):https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001410200.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。