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2019年4月9日【経済・社会】

東京航空局、作業記録書改ざんなどでIHIに業務改善命令

NEXT MOBILITY編集部

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国土交通省東京航空局は、IHIによる航空機用発動機の修理作業及び検査において、不適切な事案が多数確認されたことから、4月9日付けで同社に対して航空法に基づく業務改善命令を行い、再発防止策等について報告するよう指示した。

 

また、認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、今後、認定事業場に対する監視・監督を強化することとした。

IHI・ロゴ

[経緯]

 

東京航空局が、IHIの民間エンジン事業部瑞穂工場(装備品の修理改造認定事業場)に対し、航空法第134条に基づき1月から2月にかけて立入検査を実施し、その後報告徴収を実施したところ、航空機用発動機の修理作業及び検査において、以下のような不適切な事案が多数確認された。

 

・部品の検査を、業務規程に基づく適切な社内資格を有する検査員ではなく、資格を有さない者が実施。

 

・所定の作業工程どおりに作業及び検査を実施しなかったにもかかわらず、実施したように作業記録書の検査実施日を改竄。

 

・計測機器の定期検査記録書の検査実施日が適切でない。

 

 

[要因・背景]

 

要因・背景として、事業拡大、業務の増加に対応した検査員の育成・増員を適切に行わないまま納期を優先、現場で安全意識やコンプライアンス意識が働かなかったことが、IHIから報告された。

 

また、当該事案については、過去に社内において改善の機会があったにもかかわらず、経営層まで情報が共有されず、必要な要因分析や再発防止策を講じていなかったことが確認され、認定事業場として必要な安全管理システムが十分に機能していなかったことも認められた。

 

 

[IHIに対する業務改善命令]

 

これを受け、東京航空局は4月9日、航空法第20条第5項の規定に基づき、同社に対し、出荷品の自主回収、不適切事案の要因・背景の分析を実施するとともに、具体的な再発防止策を講じた上で報告することを指示する業務改善命令を行った。

 

 

[認定事業場に対する監視・監督の強化]

 

また、このような認定事業場による不適切事案を未然に防止するため、航空局は今後認定事業場に対する随時検査を原則抜き打ちで実施し、また認定事業場が実施した検査記録の裏付けまで確認するなど、検査内容の見直しを行い、認定事業場に対する監視・監督を強化することとした。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。