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2020年3月19日【社会インフラ】

国交省、MaaSデータ連携のガイドライン策定

NEXT MOBILITY編集部

 

国土交通省は、「MaaS関連データ検討会(昨年9月設置/※)」の第4回を開催し、関係者がデータ連携を行うにあたって参照すべき事項を整理した「MaaS(Mobility as a Service)関連データの連携に関するガイドラインver.1.0」を、国として初めて策定した。

 

これにより、各地域等のMaaS毎に、連携するデータ項目、データや連携の形式等の連携にあたり留意すべき事項について共通認識がもちやすくなり、データ連携の円滑化やMaaSの全国への普及が期待できるとしている。

 

※MaaS関連データ検討会:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/sosei_transport_tk_000117.html

国土交通省・ロゴ

[ガイドラインver.1.0の概要]

 

 

1.MaaSにおけるデータ連携の方向性

 

・MaaSにおいて、データ連携を行う上では、関連するデータが円滑に、かつ、安全に連携されることが重要。

 

・民間事業者等によるプラットフォームの構築が進み始めていることを踏まえ、既存又は今後構築されるプラットフォームがAPI等で連携されることが望ましい。

 

・MaaSアプリ等についても、利用者利便の観点から各アプリ等がAPI等で連携し、一つのアプリ等で複数のアプリ等を利用できる状態になることが望ましい。

 

 

2.ガイドライン策定の背景・趣旨

 

・MaaSに関連するプレイヤーがデータ連携を円滑かつ安全に行うために留意すべき事項を整理し、MaaS提供の促進や、MaaS相互の連携促進を企図。

 

・各地域等で提供されるMaaS毎に、関係者間で共有すべき事項等を整理。

 

・ガイドラインの項目・内容は、MaaS関連データに係る環境の変化や、技術の進展、サービスの進展・変化等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討。

 

 

3.MaaSにおけるデータ連携の構造

 

・Society5.0実現に向けて他分野(スマートシティ・スーパーシティ)で用いられているアーキテクチャに基づき、以下のレイヤー毎に、各地域等で提供されるMaaS毎に留意すべき事項を整理。

 

■戦略・政策層

 

<MaaS提供にあたっての目的>

 

・各地域においてMaaSが目指すビジョン及び目的を明確にし、サービスの方向性を定めることが重要。

 

・目指すビジョン及び目的の検討を行う際には、地域公共交通の確保・維持や活性化についても検討を行うことが必要 等。

 

■ルール層

 

<データ連携を行う上でのルール>

 

・MaaS関連データにおける協調的・競争的の考え方。

 

協調的データ:MaaS関連データのうち、各MaaSにおいて設定された最低限のルール等に基づき、各MaaSプラットフォームを利用する全てのデータ利用者が利用可能なものとして、当該プラットフォームに提供等が行われるデータ。

 

競争的データ:MaaS関連データのうち、当該データの提供者との契約等により個別に共有が行われるものとして、各MaaSプラットフォームに提供等が行われるデータ。

 

 

– MaaS関連データは、以下のようにMaaSプラットフォームに提供等が行われるように努めることとする。

 

i. 一般利用者が基本的なMaaSを享受する上で特に重要なデータ(MaaS基盤データ:「◎」)は、協調的データとするよう努める。

 

ii. 一般利用者が利便性の高いMaaSを享受する上で重要なデータ(「〇」)は、可能な限り、協調的データとすることが望ましい。

 

iii. それ以外のデータについては、各主体が協調的・競争的の判断を行った上で提供等を行う。

 

・移動関連データの取扱い。

 

– 移動関連データは、匿名化等の必要な処理を施したうえで、プラットフォーム運営者及びデータ提供者に共有されることが望ましい。

 

– 地方公共団体が地域の交通計画やまちづくり計画等の策定のために用いる場合に、移動関連データが提供されることが望ましい。

 

・関係者間でのデータの取扱い。

 

– データ提供者:各交通事業者は以下のいずれかを実施し、MaaSプラットフォームにデータ提供等を行う。

 

○各主体が有するデータの形式、規格、用語の意味等を公開。

○データの項目ごとに使用する単語の意味を交通モードごとに統一化。

○交通モードごとにデータ形式の標準化(バス、フェリーでは標準フォーマット(GTFS)を推奨)。

 

– データ利用者、プラットフォーム運営者、MaaSプラットフォーム間の連携等

 

 

■組織層

 

<MaaSに関連するプレイヤー>

 

・地域やMaaSの特性に応じた体制の構築が重要 等。

 

■ビジネス層

 

<ビジネスとしてのMaaS>

 

・データ連携に必要な費用。

 

– 公共交通等関連データの生成に費用がかかっており、費用に見合う対価(付加価値データの収受を含む)を得られる仕組みが重要。

 

– 交通事業者のデータ化への動機付けの観点から、行政機関への電子申請を可能とする検討が重要。

 

– 個人情報・プライバシー保護、セキュリティ対策にも相応の費用が必要。

 

・MaaSによる収入

 

– MaaS自体の提供やプラットフォームの提供による収入。

 

– MaaS関連データを活用したサービスによる収入。

 

■機能層

 

<MaaSにおけるサービスに係る機能>

 

・同じサービスであってもそのまま別の地域にすぐに導入できるものではなく、機能の調整(ローカライズ)が必要 等。

 

■データ層

 

<MaaSに必要となるデータ>

 

・MaaS関連データとして想定される以下のデータ項目を列挙。

 

i. 公共交通等関連データ(交通事業者等からの静的・動的データ等)。

 

ii. MaaS予約・決済データ(利用者によるMaaSの予約・決済に関わるデータ等)。

 

iii. 移動関連データ(出発地から目的地までの一連の移動実績・トリップデータ等、生活・観光等サービスの利用実績等)。

 

iv. 関連分野データ(生活・観光等サービス、地図関連、道路・インフラ等、車両等、環境に関する情報等)。

 

■データ連携層

 

<データ連携の方法等>

 

・様々な方法によりデータ連携をすることとなるが、円滑に連携できる代表的な方法としてはAPIが挙げられる。

 

・APIの構築にも費用がかかるため、適切かつ簡便な方法を選択することが望ましい。

 

・APIの開放度については、APIでやり取りされるデータの状況に鑑みた設定が必要。

 

・国際的なデータ連携には、データ項目・形式等の共通化のほか、システム改修・データ変換に係るコストや、競争環境に留意が必要。

 

■アセット層

 

<MaaSを支えるアセット>

 

・政府・自治体、民間、個人等のシステム、インフラ等

 

■セキュリティ柱

 

各層に記載

 

 

■MaaS関連データの連携に関するガイドラインver.1.0(PDF):http://www.mlit.go.jp/report/press/content/001334057.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域の取材活動を経て同社出版局へ。コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に環境&リサイクル紙、車両ケア&整備ビジネス専門誌等の創刊誌編集長を歴任。独立後は一般誌、Web媒体上でジャーナリスト活動を重ね30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。