NEXT MOBILITY

MENU

2020年1月15日【テクノロジー】

トヨタ、米Joby社と空飛ぶクルマの開発・生産で協業

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

トヨタ自動車は、新たな空のモビリティ事業として、電動垂直離着陸機(eVTOL:Electric Vertical Take-Off and Landing)の開発・実用化を進める米国のJoby Aviation(以下、Joby社)と協業することに合意した。

 

トヨタは、Joby社が合計5.9億ドルを調達したシリーズCの出資ラウンドのリードインベスターとして、3.94億ドルを出資。これに伴い、副社長の友山茂樹氏が同社取締役に就任する。

 

両社は、トヨタの自動車生産及び技術開発の知見と、Joby社のeVTOL開発のノウハウを持ち寄り、未来のモビリティ社会の構築を目指すとしている。

2009年設立のJoby社(本社:米国カリフォルニア州サンタクルーズ)は、eVTOLの開発に取り組み、空飛ぶタクシーサービスの提供を目指している。

 

今回トヨタは、Joby社との協業にあたり、生産技術の見地で、設計、素材、電動化の技術開発に関わるとともに、トヨタ生産方式(TPS)のノウハウを共有。最終的には、高い品質、信頼性、安全性、そして厳しいコスト基準を満たすeVTOLの量産化を実現するとしている。

 

eVTOLは、短距離・多頻度運航用に設計され、都市圏における通勤や出張、旅行など、オンデマンドの空飛ぶタクシー利用を見込む空のモビリティで、ヘリコプター、ドローン、小型飛行機の要素をもち、信頼性、環境性(ゼロ・エミッション)、巡行速度、静粛性に優れ、運用コスト、メンテナンスコストも低く抑えることができると云う。

 

トヨタでは、このeVTOLの開発・製造における技術に関して、電動化、新素材、コネクティッドなどの分野において、次世代環境車の技術との共通点も多く、eVTOLは自動車事業との相乗効果を活かした新たなモビリティ事業に発展する可能性があるとしている。

 

 

協業に際して、トヨタ代表取締役社長の豊田章男氏は、以下のように話している。

 

「トヨタは、自動車事業に加え、今回、Jobyという力強いパートナーとともに、新たに“空”のモビリティ事業にチャレンジします。

 空のモビリティは、未来のモビリティ社会における人々の移動と生活を大きく変革する可能性を秘めており、空のモビリティの実用化はトヨタ創業以来の夢でもあります。

 今回の協業により、陸だけでなく空にも、移動の自由と楽しさをお届けするモビリティの実現に貢献できることを嬉しく思います」。

 

また、Joby社の創立者でCEOのジョーベン・ビバート氏は、以下のように話している。

 

「今回の協業は、世界を代表する自動車メーカーによるJoby及びこの新しい産業に対する資金とリソーセス面での前例のないコミットメントです。

 トヨタは、その細部まで行き届いた製造工程がもたらす商品の品質と信頼性の高さで世界中に知られています。

 10億人以上の毎日1時間以上の通勤時間短縮を手助けするという私たちの夢の実現に向け、トヨタのエンジニアリングと優れた製造技術を活用できることを楽しみにしています」。

 

なお、開発する機体の詳細や生産計画など、協業の具体的な取り組み内容については追って公表される。

 

 

■Joby Aviation(英語):http://www.jobyaviation.com/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。