NEXT MOBILITY

MENU

2019年5月22日【テクノロジー】

日産、「音源可視化技術」を2社にライセンス供与

NEXT MOBILITY編集部

日産自動車は、車両開発において騒音の発生源をPC画面上で可視化する「音源可視化技術」のライセンスを、アコー及びマイクロネット供与する。

 

日産は、この音源可視化技術を2011年に開発。以来、人が不快に感じる音の周波数帯にフォーカスし、発生部位を可視化することで、車両開発の初期段階で静粛性のために必要な対策を講じてきた。

 

またエンジン生産ライン等にも適用し、生産設備の異音の発生源の特定や、対策前後の防音効果の確認にも活用してきた。

 

 

日産自動車・ロゴ

 

 

「音源可視化装置」は、音源可視化技術を活用し、マイクロホンを複数配置、信号処理アルゴリズムと組合わせて超指向性マイクロホンを構築。

 

加えて中央にカメラを設置し、マイクロホンで測定した音圧レベルの大小を等高線として測定対象物の画像と重ね合わせ視覚的に表示することにより、音源を探査する。

 

更に32個のマイクロホンの最適配置ができるよう可変構造を持たせ、低価格かつコンパクトながら低周波音から高周波音までの測定を可能とした。

 

これまで日産は、音源可視化装置の配備を、同社及び関連会社の開発拠点や各工場への進めてきたが、今後更なる展開を図るため、社外の知見・ネットワークの活用を検討。

 

東京都と東京都中小企業振興公社及び、川崎市と川崎市産業振興財団が進める地域産業活性化を目的とした知的財産マッチング支援(*)から、装置を製造、開発し、ソフトウェアの改良ができる企業としてアコーとマイクロネットの紹介を受けたと云う。

 

 

*)知的財産マッチング支援:全国の大企業等の技術を意欲のある優秀な中小企業にライセンスを行う、知財を活用した地域産業活性化取り組み。

 

 

今回のライセンス供与によりアコーとマイクロネットは、異常音や騒音の発生源の発見、解析などを必要とする様々なシーンにおいて、音源可視化装置を使った製品開発が可能に。

 

例えば空調の送風音の発生個所の特定、建物構造物のきしみや部材膨張による異音の発生部位の特定、生産ラインにおける設備異常個所の特定、製品販売先からの異音クレームへの早期対応、住宅室内の騒音問題の解決等への活用が期待できると云う。

 

日産は、今回の取り組みを通じて、音源可視化技術の海外工場を含めたグローバル開発拠点や各工場への導入を加速。また、外販し様々な業種の開発現場での利用により、装置の信頼性、機能性の向上が期待できるとしている。

 

 

日産の経営戦略本部、パートナーシップ、ビジネスデイベロップメント担当の副本部長、木俣秀樹氏は、以下のように話している。

 

「日産は自社で開発した技術を自社利用だけに留めず、社外における自社開発技術の有効活用を積極的に推し進めることにより、社会や産業全体での技術の発展に寄与していきます。

 

今回のアコー、マイクロネットへの音源可視化技術の供与もこの取り組みの一環です。

 

同技術が広く用いられることにより、モノづくりの現場でのさらなる生産性向上に寄与するだけでなく、地方自治体が推進する地域産業活性化にも貢献していきたいと考えています」。

 

 

■日産のテクノロジーライセンスについて:https://www.nissan-global.com/JP/LICENSE/

CLOSE

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。