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2023年2月13日【特集】

東京都に訊く、未来を見据えた〝100年プロジェクト〟

NEXT MOBILITY編集部

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第一フェーズは最先端テクノロジーを競う実験場に

 

――では東京ベイeSGプロジェクトの第一フェーズとしては、主に先端テクノロジーの実験場として活用する事になるのでしょうか。

 

山本 ▶ そうですね。まずは現段階の制約を丁寧に1つずつ解決しつつ、現場の広大なフィールドを活かして、自由に実験して貰い、一緒に社会実装に向けた実証を行う事になります。

 

――空飛ぶクルマの実証領域では、先行プロジェクトの最初の3年間の間に実験が始まるとみて良いのでしょうか。

 

山本 ▶ 空飛ぶクルマに関しては、ボロコプターの機体の認証手続きが今後海外で行われると聞いています。

 

その後、日本で認証を取得。その後、段階的に試験飛行を行う流れになるでしょう。先ほど申し上げたように、社会受容性向上などの観点からも、早期のフライト実現に向けて関係機関と調整していきます。

 

 

――空飛ぶクルマの社会受容性を高める活動についてお聞かせ下さい。

 

山本 ▶ 空飛ぶクルマがどういうものなのか、一般の方々は、まだ良く周知されていないのが実態です。

 

ただ〝空を飛ぶ〟と言ってもヘリコプターと異なり、電動で稼働するため比較的低騒音で、かつゼロエミッションのモビリティである事。既存のヘリコプターなどの機体とは全く違う乗り物である事を、都民の皆様に周知して行かなければなりません。

 

 いずれにしても空飛ぶクルマと呼ばれるエア・モビリティは、まさしく〝未来の乗り物〟であり、それらを活用する主役となるのは、子供たち・若者たちが対象となるでしょう。

 

そこで令和4年の秋、羽田空港で「未来のエアモビリティ体験フェス」と題したイベントも開催しています。

 

 子供たちを対象に、ターミナルの一部をお借りして、実機の展示やJAXA(宇宙航空研究開発機構)による子供向けワークショップなどを実施しました。

 

VRを使った体感機会も設け、ワクワクした、楽しかった、と言う感想が多く寄せられました。小池知事も来訪して頂きました。今後もこうした取り組みを重ねて、認知度を高めて行きたいと考えています。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。