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2019年6月26日【テクノロジー】

豊通傘下2社、中国国営企業グループと車載通信の合弁会社設立

NEXT MOBILITY編集部

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豊田通商グループのエレクトロニクス商社、ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社2社と、中国で自動車の国家基準(GB,GB-T※1)を唯一策定できる中国汽車技術研究中心(以下、CATARC)のグループ会社が、車載Ethernetテストサービスの提供を目的とした合弁会社を中国常州市に設立した。

 

CATARCグループとの合弁会社の設立は、日系グループ企業としては初となる。

豊田通商・ロゴ

[新会社概要]

 

<合弁会社名>

 

中国名:中汽研瑷睿赛安斯(常州)智能科技有限公司
英語名:CATARC AERI C&S (Changzhou) Intelligence Technology Co., Ltd.

 

<出資構成・比率>

 

1.CATARCのグループ会社(出資比率:50%)

 

– 会社名:中汽研(常州)汽車工程研究院有限公司(以下「CATARC AERI常州」)
– 本社、代表者:中国常州市、院長:高 継東

 

2.ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社(出資比率 合計50%)

 

– 会社名:豊田通商先端電子(大連)有限公司(出資比率 25%、以下「ネクスティ大連」)
– 本社、代表者:中国大連市、董事長:伊藤 秀哉

 

– 会社名:C&S Group GmbH(出資比率 25%、以下「C&S」)
– 本社、代表者:ドイツ、Wolfenbuttel、President:David Bollati、Frank Fischer

 

 

[背景]

 

現在、自動車業界のトレンドであるCASEと呼ばれる、Connected(つながる)Autonomous(自動運転)Shared(共有)Electric(電動化)の領域における技術進化は著しく、新しい技術への迅速な対応が求められている。

 

その中で次世代車載通信分野においては、通信データの高速化・大容量化に対応可能な車載Ethernet(※2)の活用が期待されている。

 

特に車載市場の成長が著しい中国では、車載Ethernetの標準化及び規格適合テスト、認証スキームの構築が急務となっている。

 

 

[合弁会社設立の目的]

 

CATARCは、中国における自動車の国家基準(GB,GB-T)を策定出来る唯一の機関で、認証及び製品研究、開発、設計、検証も行っている。そのグループ会社のCATARC AERI常州は、豊富なテスト設備とエンジニアを有している。

 

ネクスティ エレクトロニクスでは、先進安全・自動運転など、カーエレクトロニクス分野のビジネスを展開。そのグループ会社であるネクスティ大連は、日系を中心としたOEM・Tier1に対する車載ソフトウェア開発/評価の実績を有している。

 

C&Sはネクスティ大連同様、ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社で、欧州における車載通信の規格適合 テスト機関として、欧州を中心としたOEM・Tier1の車載通信テストやコンサルティングを行っており、車載通信及び適合テストのノウハウを有している。

 

合弁会社では、中国国内のOEM・Tier1に対して車載Ethernetテストサービスを提供し、CATARCグループと共に、車載Ethernetの規格策定から規格適合テスト、認証までのスキームを構築。中国における車載Ethernetの普及、次世代モビリティーの加速・促進に貢献していくとしている。

 

 

※1)GB,GB-T:中華人民共和国標準化法で定められた技術基準。強制的標準はGB、推奨的標準がGB-T。
※2)車載Ethernet:Ethernetは企業内ネットワークなどのLAN規格であり、それを車載向けに対応させたもの。

 

 

タイトル写真:(写真左)中国汽車技術研究中心汽車工程研究院・副院長の戎 辉氏、(写真中)C&S Group PresidentのDavid Bollati氏、(写真右)東アジア総代表、豊田通商(中国)・総経理の近藤 隆弘氏

 

 

[各会社について]

 

<豊田通商先端電子(大連)>

 

豊田通商先端電子(大連)有限公司は、拡大する車載ソフトウェア市場に向けてソフトウェア開発を提供。また、ソフトウェア評価も受託しており、主にe-Cockpit 領域(カーナビゲーション、メーター)の実機を使ったテストサービスを行っている。

 

■HP:http://www.dl.cn.nexty-ele.com/

 

<C&S Group>

 

C&S Group GmbHはEthernet、CANを始めとする車載通信において、主に欧州のOEM・Tier1に対し、規格適合テストやコンサルティングサービスを提供している。

 

■HP:https://www.cs-group.de/

 

<中汽研(常州)汽車工程研究院>

 

中汽研(常州)汽車工程研究院有限公司は、中国唯一の自動車における国家基準の策定機関であるCATARCグループのエンジニアリング会社と位置付けられており、エンジニアリングサービスの提供や規格策定・認証の支援を行っている。

 

■HP:http://www.chinaaeri.com/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。