NEXT MOBILITY

MENU

2021年12月7日【テクノロジー】

ACSL、官民共同開発のセキュアな小型空撮ドローン受注を開始

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

産業用ドローンの製造販売と自律制御技術を用いた無人化・IoT化に係るソリューションサービスを提供するACSL(本社:東京都江戸川区)は12月7日、国産のセキュアな小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」と、そのオプション品の受注を、同日より開始したと発表した。価格はオープン。

ACSL・ロゴ

産業用ドローンは、少子高齢化に伴う様々な社会問題解決のためのロボティクス技術の一つとして、インフラ点検、災害時の現場確認や探索、物流、農業等で、我々の生活に、今後より密接に関わってくることが予測されている。

 

そのような中、政府は昨年9月「調達はセキュリティが担保されたドローンに限定」し、「既存導入されているドローンについても速やかな置き換え」を実施する方針を公表(※1)した。

 

ACSLは今回、あらゆる産業用途で安全に活用可能で、現場の“技術を守る”ことで、日本のものづくりを守り、ゆくゆくは空の産業革命に寄与することを目的に、情報漏洩や抜き取りの防止、機体乗っ取りへの耐性を実現したセキュアな小型空撮ドローンを開発。このドローンを、空(天)という無限大の可能性を持つ空間を自在に飛行する姿をイメージして、「SOTEN(蒼天)」と名付けた。

 

 

 

 

SOTENは、高性能・高セキュリティな小型ドローンの開発を目的に、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募の「安全安心なドローン基盤技術開発」事業に採択され、その技術開発の末に完成。日本政府の開発支援の成果を活用して量産化された初の国産ドローンとして、以下の特徴を有している。

 

SOTENの特徴

 

①技術を守るセキュアな国産ドローン

 

ISO15408(※2)に基づくセキュリティ対策が施されたSOTENでは、データの漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現。機体の主要部品には国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を採用し、通信・撮影データの暗号化、国内クラウドでの取得データの保護などのセキュリティ強化を図っている。

 

②ワンタッチ切り替えが可能なカメラ

 

小型空撮ドローンでは初となるカメラのワンタッチ切り替え方式の採用により、幅広い選択肢を提供。カメラは標準カメラの他、赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)との交換が可能。

 

③実現場で求められる飛行性能を持つ機体

 

最大対気速度15m/sと風に強く、災害等の厳しい環境下でも安全な使用が可能。また、国内に於いてより高精度な位置情報が得られるSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)を搭載し、災害での調査等、正確な位置情報が必要な場面でも、より安全な離着陸ができる。

 

④閉域網LTE通信やオフライン対応地図等、幅広い拡張性

 

LTE通信の活用では、インターネットを介したドローンの操縦が可能となるため、山間地やプラント内等の遠隔地等での、自動飛行による補助者なし目視外飛行(Level3)が可能。また、オフライン地図の活用では、インターネットが使えない環境でもコントロール側の基地局アプリにオフライン地図を表示し、ドローンの自動飛行が可能。さらに、機体上部にカメラを取り付けるためのマウントを用いることで、インフラ設備の点検画像を下から撮影することもできる。

 

 

 

 

※1:(首相官邸)「政府機関等における無人航空機の調達等に関する方針について(2020年9月14日/小型無人機に関する関係府省庁連絡会議):https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/pdf/siryou15.pdf

※2:コンピュータセキュリティのための国際規格。

 

 

[製品概要]

 

– 製品名:SOTEN(蒼天)
– 価格:オープン価格
– 寸法:

・アーム展開時:637mm×560mm(プロペラ含む)
・アーム収納時:162mm×363mm

– 重量:1.7kg(標準カメラ・バッテリー含む)

– 最大飛行時間(※3):

・標準バッテリー:22分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下)
・標準バッテリー:25分(標準カメラ非搭載時、風速8m/s条件下)
・大容量バッテリー:25分(標準カメラ搭載時、風速8m/s条件下)
・大容量バッテリー:29分(標準カメラ非搭載時、風速8m/s条件下)

– 最大伝送距離(障害物や電波干渉がない場合):4km
– 防塵・防水性:IP43(カメラ、ジンバル、バッテリー搭載時)
– 標準カメラ:動画4K対応 静止画時2,000万画素
– オプションカメラ:

赤外線カメラ+可視カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラ(開発中)。

– リモートID(※4):Bluetooth
– GNSS(※5):

GPS+QZSS(準天頂衛星みちびき/※6)+GLONASS(※7)+SLAS/SBAS(※8)

– クラウド:撮影画像・動画保管機能、フライトログ保管機能。

– セキュリティ対策:

フライトログ・撮影データ漏洩防止、通信の暗号化、機体と送信機のペアリング。

– 機能:自動飛行、画像トラッキング、3方向センサによる衝突回避。
– 機体制御プロトコル:MAVLink(※9)準拠
– 付属品:

標準送信機、バッテリー、標準充電器、セキュアフライトマネジメントクラウド(3年分、5GB/※10)。

– オプション品:

スマートコントローラー、送信機フード、予備プロペラ、教習送信機、プロペラガード、LTE通信モジュール、収納ケース(ハード)、大容量バッテリー(94Wh)、収納ケース(ソフト)、マルチマウント、3連充電器、上部カメラマウント(開発中)。

 

 

※3:飛行時間に関しては、気温などの環境やバッテリーの使用回数により変化。
※4:飛行中のドローンから登録記号などの識別情報や位置情報等を発信し、関係者が情報を受信できるシステム。
※5:Global Navigation Satellite System 汎地球測位航法衛星システム(衛星測位システム)。
※6:日本およびアジア太平洋地域向けに利用可能とする航法衛星システム。
※7:ロシアの宇宙軍が運用する衛星測位システム。
※8:準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス。
※9:ドローンと地上ステーションの間に通信用データの送信と受信に関わるプロトコル。
※10:撮影した画像等のアップロードやフライトログの保管等がWEB上で一元管理できるNTTドコモ提供のクラウドサービス。

 

 

[購入希望、相談、修理についての問い合わせ先]

ACSLドローン販売代理店:https://product.acsl.co.jp/flow/

 

 

■(ACSL)小型空撮ドローン SOTEN:https://product.acsl.co.jp/product/post-369/

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。